太陽光発電の固定買取価格、10%引き下げ

2015/05/03

現行の9.68ペソから8.69ペソ/kWhに

 

 フィリピンでは、2012年に、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)における第一次固定買取価格(20年間固定)が認可された。

  この時認可された固定買取価格は、下表のとおり、水力発電による電力が1キロワット(kWh)当たり5.90ペソ、バイオマス発電同6.63ペソ、風力発電同8.53ペソ、 太陽光発電同9.68ペソであった。これらの認可価格は3年後を目途に見直しが行われるとされていた。

 そして、2014年から見直しが行われ、このほど太陽光発電による電力の固定買取価格変更が決定された。エネルギー規制委員会(ERC)は、4月29日発出のERC決議2015年第6号において、「太陽光発電による電力の新固定買取価格は同8.69ペソとする」と発表した。新固定買取価格は第1次の同9.68ペソから約10%の引き下げとなる。

 第1次の9.68ペソはこれまでにFIT対象として承認された70MWの太陽光発電に適用される。新買取価格の同8.69ペソは今後承認される71MWから500MWまでの太陽光発電に適用される。政府は、太陽光発電稼働能力に関しての当面の目標を50メガワットから500メガワットへと大幅に引き上げたことから、一時は、業界内での固定買取価格引上げ期待が高まったが、結局引き下げという結果となった。

 フィリピン太陽光発電協会(PSPA)は、固定買取価格引き上げは、太陽光発電プロジェクト推進の大きな障害になるとの懸念を表明した(15年4月29日のERC決議06-2015年などより)。

再生可能エネルギー固定買取価格(1KWh当たり)の推移

種類 NREB原案 第1次認可価格 改訂価格
水力 6.15ペソ 5.90ペソ -
バイオマス 7.00ペソ 6.63ペソ -
風力 10.37ペソ 8.53ペソ -
太陽光 17.95ペソ 9.68ペソ 8.69ペソ

(出所:エネルギー規制委員会資料より作成)
(NRFBとは国家再生可能エネルギー審議会