比セブンイレブン、14年の純利益28%増の8.7億ペソに

2015/03/12

店舗数27%増の1282店でシェア約50%、地方にも展開へ
既にセブ、ネグロス、パナイに、今年はミンダナオにも

 

フィリピンでコンビニエンス・ストア業界が順調に発展しつつある。現在は業界断トツのセブンイレブンをマーキュリー・セルフサービスやミニストップが追うという構図になっている。そして、一昨年にはファミリーマートとサークルKが進出、ローソンもフィリピン1号店をオープンしつつある。

 

 首位のセブンイ レブンは、台湾系のプレジデント・チェーン・ストア(ラブアン)ホールディングスが51.561%を所有(2014年9月末現在)するフィリピン・セブン社 (PSC)によって運営されている。 PSCは1982年11月に設立され、同年12月に米国テキサス州ダラスのサウスランド社(その後セブン・イレブン 社に社名変更)からフィリピンでのセブンイレブン運営ライセンスを獲得。1998年2月4日にフィリピン証券取引所(PSE)に上場した。
 
 フィリピンでのセブンイレブン第1号店は、 1984年2月にケソン市エドサ通り沿いにオープンした。当初の出店ピッチは鈍く1996年にようやく100店体制となった。しかし、2000年の小売業界規制緩和を契機に下表のように出店ピッチが速まり2010年に500店を突破した。そして2013年年末には前年末比180店増、率にして21.7%増の1,009店となり、1千店の大台を突破した。

 2014年に入っても店舗数は順調に増加した。2014年12月末の店舗数は1,282店に達し、前年同月末の1,009店から273店、率にして27%の増加となっている。そして、2014年年末までに1,250店体制という目標を達成した。

 店舗網の拡充とともに、近年の業績は上昇基調を辿っている、最終損益は2004年の200万ペソの赤字から2005年には1,380万ペソの黒字に転換、2008年の純利益は2005年比6.1倍の8,430万ペソへと急増した。その後の5年間の純利益も年率35%の増加が続き、2013年には6億8,260万ペソにまで拡大した。

 2014年の業績も堅調に推移した。2014年の全店売上高は前年比19.3%増の206億ペソ、商品売上高は同21%増の171億ペソ、営業利益は同27.2%増の12億7,150万ペソ、純利益は同27.9%増の8億7,330万ペソに達した。

  2014年は二桁増益ながら、近年の高成長に比べると増益率がやや鈍化したかに見える。しかし、2013年には、①5月13日投票の中間総選挙に向けての特需があった、②前年第1四半期(1月~3月)には、主力商品の一つである煙草が大幅増税を控えての買い溜めで大幅増収であったという特殊要因 があった。このような特殊要因を考慮すれば、PSCの2014年の実態は数字以上に好調であったと言えよう。
  

ィリピンのセブン・イレブン店舗数(年・月末)と純利益(単位:百万ペソ)推移推移

時期 06年 07年 08年 09年 10年 11年 12年 13年 14年
店舗数 287 311 368 447 551 689 829 1,009 1,282
純利益 20.1 54.8 84.3 155.8 276.9 356.3 465.2 682.6 873.3

(出所:フィリピン・セブン資料などより作成)

 PSCは現在、地方にも積極進出しつつある。2012年年央までは、店舗展開はルソン地域に限られていたが、地方にも積極展開する方針を打ち出し、2013年7月にセブに初出店した。2014年にはビサヤ地方のパナイ島とネグロス島にも進出した。2015年には、ミンダナオ島のダバオ市とカガヤン・デ・オロ市での出店を計画している。新たな地域への出店に関しては、数年間は赤字を覚悟する必要があるが将来は大きなリターンが期待できるとのことである。

 積極的な出店などを背景に、2015年の設備投資額は前年比50%増の30億ペソに達する見込みである。

 このような好調なセブンイレブンを後続コンビニが追撃しようとしているが、セブンイレブンの動きも早く、現時点では店舗数差は下表のように拡大傾向にある。フィリピンのブランドコンビニエンスストア業界でのセブンイレブンのシェアは50%弱と見られる。
 業界全体としてみれば、新規出店効果、商品構成強化、効率化、公共料金支払いやクレジットカード取り扱い拡大などによる顧客の利便性向上、コンビニの認知度の一層の高まりなどにより、順調な発展が続いていると言えよう(15年3月12日のフィリピン証券取引所回覧01187-2015号などより)。

フィリピンのブランドコンビ二エンス・ストア店舗数とシェア

  2010年末 11年末 12年末 13年末 13年シェア 14年末
セブン・イレブン 551 689 829 1,009 46% 1,282
マーキュリー・セルフサービス 287 345 606 680 31% N.A.
ミニストップ 332 327 337 386 18% 454
サンミゲル・フードショップ 13 25 60 63 3% N.A.
ファミリーマート - - - 31 1% 87
サークルK - - - 2 0% N.A.
合計 1,183 1,386 1,832 2172 100% N.A.
(出所:フィリピン・セブン資料、ミニストップ資料などより作成、ミニストップ店舗数は日本側発表値)