世界都市生活環境、マニラ136位(230都市対象)

2015/03/06

星が26位、KL84位、バンコク117位、ジャカルタ140位
1位ウィーン、東京44位、北京118位,、最下位バクダッド

 

組織・人事コンサルティング会社マーサーの日本法人であるマーサージャパンは、3月4日に、「2015年世界生活環境調査(Quality of Living Survey)‐都市ランキング」を発表した。


 マーサーは、多国籍企業やその他の組織が駐在員を海外に出向させる際の報酬を公平に決定する基準となる「世界生活環境調査(Quality of Living Survey)」を毎年実施している。海外駐在員のインセンティブとして、ハードシップ手当と海外勤務手当(モビリティープレミアム)がある。マーサーの世界生活環境レポートは、世界440都市以上のハードシップ手当に関する情報を提供している、2015年の都市ランキングは、その内の230都市を対象としている。

 マーサーの調査では、世界440都市において生活環境査定に必要な39の重要項目について評価を実施しており、以下の10カテゴリーに分類されている。

1.政治・社会環境(政情、治安、法秩序等)
2.経済環境(現地通貨の交換規制、銀行サービス等)
3.社会文化環境(メディアの利用、検閲、個人の自由の制限等)
4.健康・衛生(医療サービス、伝染病、下水道設備、廃棄物処理、大気汚染等)
5.学校および教育(水準、およびインターナショナルスクールの有無等)
6.公共サービスおよび交通(電気、水道、公共交通機関、交通渋滞等)
7.レクリエーション(レストラン、劇場、映画館、スポーツ・レジャー施設等)
8.消費財(食料/日常消費財の調達状況、自動車等)
9.住宅(住宅、家電、家具、住居維持サービス関連等)
10.自然環境(気候、自然災害の記録)

 2015年調査結果によると、ウィーンが2014年と同じく、世界で最も生活環境水準が高い都市となった。全体では、ヨーロッパの都市と共に、オーストラリアとニュージーランドの主要都市が世界生活環境ランキングの上位を占める結果となった。2位にチューリッヒ、3位にオークランド、4位にミュンヘンが続いている。5位はバンクーバーとなり、北米地域で唯一トップ10位に入る結果となった。

 アジアではシンガポール(26位)、中東・アフリカではドバイ(74位)が各々の地域での最高位となった。中南米ではウルグアイのモンテビデオ(78位)が地域で最高位となった。日本では、東京(44位)が最高位となり、神戸(47位)、横浜(48位)、大阪(58位)がそれに続く結果となり、昨年比の順位に大きな変動はなかった。

 東アジア地域の都市のランキング上位は、最高の東京が44位、以下、香港(70位)、 ソウル(72位)、台北(83位)、 上海(101位)、 北京(118位)という結果となった。南アジア地域では、コロンボ(132位)が最高位となり、その後に、インドの新興都市のハイデラバード (138位) とプネ (145位)が続いている。これらの都市は、同国の従来からのビジネスセンターであるムンバイ(152位)とニューデリー(154位)より上位にランクインしている。近年のムンバイとニューデリーにおける急激な人口増加は、安全な水の利用、大気汚染、交通渋滞などを含む、従来の問題を大きくしている。

 東南アジア地域の都市のランキング上位は、最高位のシンガポールに続き、クアラルンプールが84位となった。その他の主要都市は、バンコク(117位)、 マニラ (136位)、 ジャカルタ(140位)という結果となった。マニラのランキングは2014年の125位(211都市対象)、103位(214都市対象)から一段と低下した。

総合ランキング
<上位10都市>
1 ウィーン (オーストリア)
2 チューリッヒ (スイス)
3 オークランド (ニュージーランド)
4 ミュンヘン (ドイツ)
5 バンクーバー (カナダ)
6 デュッセルドルフ (ドイツ)
7 フランクフルト (ドイツ)
8 ジュネーブ (スイス)
9 コペンハーゲン (デンマーク)
10 シドニー (オーストラリア)

<下位10都市>
230 バグダッド (イラク)
229 バンギ (中央アフリカ共和国)
228 ポルトープランス (ハイチ)
227 ハルツーム (スーダン)
226 ンジャメナ (チャド)
225 サヌア (イエメン)
224 ブラザヴィル (コンゴ共和国)
223 キンシャサ (コンゴ民主共和国)
222 コナクリ (ギニア)
221 ヌアクショット (モーリタニア)
(15年3月4日マーサー ジャパンのニュースリリースより)。