日本企業のフィリピン証券市場への関心高まる

2015/02/05

PSEの東京ロードショー盛況、参加者が大幅増加

 

フィリピン証券取引所(PSE)は、1月21日から23日まで日本を訪問、フィリピンへの投資誘致活動などを展開した。

 

 PSEは1月21日に、日本企業に対し、「フィリピン経済の現状と見通し」というセミナーを実施、フィリピン証券市場への投資などを誘致した。さらに、日系企業のPSE上場を働きかけたり、PSE上場への関心を醸成を図った。

 PSE上場働きかけについては、宝印刷(本社:東京都豊島区)、KPMGグループ、森・濱田松本法律事務所がPSE上場規則・基準や情報公開規則などを説明した。なお、宝印刷とPSEは、2013年9月に、業務提携覚書に署名した。この業務提携は、日本の投資家のフィリピン証券市場への関心を高め、フィリピン証券市場への投資拡大や日系企業のPSE上場促進を目的としたものである。そして、フィリピン証券市場に関する情報の共有、両国でのIR活動や広報活動での協力などが謳われている。

 PSEは、日本の投資家のフィリピン証券市場の関心を高めるためには、日本語での情報提供が不可欠と判断、ディスクロージャーやIR関連の大手企業である宝印刷との提携に至った。既に宝印刷は、2013年2月に、PSE上場規則集を日本語に翻訳したという実績がある。

 現在、PSEに日系企業が直接上場しているのは、パナソニックのフィリピンにおける製造・販売拠点であるパナソニック・マニュファクチャリング・フィリピン(PMPC)くらいである。PSEは、21日のセミナーなどにより、今後日系企業のPSE上場に対する関心が高まると期待している。

 PSEは22日と23日には、大和証券グループのフィリピン拠点であるDBP大和証券キャピタル・マーケッツ・フィリピンと「フィリピン・コーポレート・デー」と称するフィリピン証券市場関連説明会を共催した。今年で3回目となるこの説明会においては、PSEの最近の動向や上場企業の動向を紹介、フィリピンの証券への投資を働きかけた。

 この説明会には、PSEのほか、コングロマリットのアヤラコープ、同サンミゲル、同JGサミット、同アライアンス・グローバル、同メトロ・パシフィック・インベストメンツ(MPIC)、最大行のBDOユニバンク、世界的な地熱発電企業エナジー・デベロップメント(EDC)、石油元売り最大手のぺトロン、有力不動産企業のロビンソンズ・ランド、大手食品企業のユニバーサル・ロビナ(URC)という有力上場企業が参加した。そして、日本の有力機関投資家に対し、経営方針、業績、財務状況などについて説明した。

 PSEは、2月4日に、上記の東京でのロードショー(説明会)を総括した。そして、前回に比べ日本の参加者数が37%増加、参加ファンド企業数は58%増加、日比企業の対談数が32%増加という盛況ぶりであり、日本企業や投資家のフィリピン証券市場に対する関心が大いに高まったと強調した(15年2月4日のフィリピン証券取引所発表より)。