比ミニストップ売上高、9カ月間で8.6%増の33億ペソ
2014/11/17
コスト増で税前利益は半減の7.700万ペソ、10月末441店に
首位セブン・イレブン売上高122億ペソ、税前利益6.7億ペソ
フィリピンのミニストップは、ロビンソンズ・コンビニエンス・ストアーズ(RCSI)によってフランチャイズ展開されている。
RCSIは、三菱商事、ミ ニストップ株式会社、ゴコンウェイ・ファミリー傘下のロビンソンズ・リテイル(RRHI)グループとの共同事業である。1997年にRCSIとミニストッ プ本社との間でカントリー・フランチャイズ契約が締結された。なお、RRHIは、昨年11月11日にフィリピン証券取引所(PSE)に新規上場された。
このほど 発表されたRRHIの2014年9カ月間(1月~9月)の事業報告書などによると、フィリピンのミニストップのグループ総売上高は前年同期比5.6%増の 49億2,600万ペソ、商品売上高は同8.6%増の33億4,900万ペソとなった。RRHIにおける売上高構成比は6%であった。増収は主に新規出店 効果によってもたらされた。
粗利は同18.7%増の3億1,640万ペソ、ロイヤリティー・フィーなどその他収入は同4.4%増の8億4,900万ペソに達した。しかし、販売費 用が同17.6%増の9億5,000万ペソへと増加したことなどで税金・金利・償却前利益(EBITDA)は同20.8%減の2億1,500万ペソへと減 少した。金利負担なども増加したことで、税引き前利益は同49.6%減の7,700万ペソへと半減した。
今9カ月間の収益が低調であったのは、前年同期には、①5月13日投票の中間総選挙に向けての特需があった、②主力商品の一つである煙草の売上高が大増 税を控えての買い溜めで大幅増加したという特殊要因があり、今9カ月間はその反動が生じたことにもよる。
一方、事業基盤拡充は進展している。2014年9月末の店舗数は435店に達し、前年同月末の354店から81店、率にして 23%の増加となった。また、速報値では10月末には441店に達し、前年同月末の362店から79店、率にして 22%の増加となった。
フィリピンでもコンビニエンス・ストアの普及が本格化しつつある。現在は業界首位のセブン・イレブンをマーキュリー・セルフサービスやミニストップが追 うという構図になっている。そして、ファミリーマートが昨年進出、ローソンも2014年中にフィリピン1号店をオープンする予定である。
フィリピンのセブン・イレブンは、台湾系のプレジデント・チェーン・ストア(ラブアン)ホールディングスが51.56%を所有(2014年3月末現在) するフィリピン・セブン社(PSC)によって運営されている。10月末の推定店舗数は1,183店に達し、ミニストップの441店、ファミリーマートの 70店に大差をつけ、2014年年末までに1,250店超とすることを目指すとしている。
フィリピン・セブン社(PSC)の今9カ月間のグループ総売上高は前年同期比18.1%増の148億1,160万ペソ、商品売上高は同17.5%増の 121億7,070万ペソ、税引き前利益は同9.3%増の6億6,923万ペソ、純利益は同8.5%増の4億6,830万ペソとなった。収入面でも、ミニ ストップなどに大きな差をつけている(ロビンソンズ・リテイルやフィリピン・セブンの2014年9カ月間報告書などより)。
フィリピンでの主な日系コンビニエンス・ストア店舗数推移位
時期 | 10年末 | 11年末 | 12年末 | 13年末 | 14年3月末 | 6月末 | 9月末 | 10月末 |
セブン・イレブン | 551 | 689 | 829 | 1,009 | 1,049 | 1,121 | 1,169 | 1,183(推定値) |
ミニストップ | 332 | 327 | 337 | 386 | 402 | 414 | 435 | 441 |
ファミリーマート | 0 | 0 | 0 | 31 | 40 | 46 | 63 | 70 |
(出所:各社資料などより作成、2014年10月末のセブン・イレブン店舗数は推定値)