マカティのオフィス賃貸料上昇続く

2014/11/11

高級物件、1年間で6.6%上昇との予想
継続的な需要増加で空室率低下傾向

 

 国際的な総合的不動産の コンサルティング業務を行っているコリアーズ・インターナショナル(コリアーズ)が、フィリピンの不動産市場概観2014年第3四半期(7~9月)動向及び今後の見通しを発表した。

 今年第3四半期には、首都圏ビジネス街では新たに5つのオフィスビル(総床面積6万8,000㎡)の入居が開始された。そのうち4つのビルはケソン市内に立地している。年内にさらに20万㎡のオフィススペースが供給され、予想供給量(48万㎡)に達する見通しである。不動産ディベロッパーは今後2年間に100万㎡近くのオフィススペースが供給されると楽観視している。一方、マカティ中央ビジネス区(CBD)内では、継続的な需要増加によりオフィス空室率が低下し、その結果、当期の賃貸料は全体的に2~3%上昇した。今後12カ月でさらに需要が高まる見通し。

 マカティCBDにおけるプレミアム物件の平均賃貸料は前期比2.3%増の1,125ペソ/平米であった。コリアーズは、今後12カ月間(15年第3四半期)にプレミアム物件、A・Bクラスで6.6~8.1%上昇すると予想している(14年11月7日のコリアーズ・フィリピンズ発表より)。



 マカティCBDオフィス平米当たり月間賃貸料(単位:ペソ/㎡)

物件タイプ 14年Q2 14年Q3 対前期伸び率 15年Q3(予) 年間変化率予想
プレミアム 930~1,270 970~1,280 2.3% 1,030~1,370 6.6%
Aクラス 650~985 685~995 2.8% 725~1,070 6.7%
Bクラス 515~715 530~735 2.9% 515~800 8.1%



 マカティCBDオフィス空室率

物件タイプ 14年Q2 14年Q3 15年Q3(予)
プレミアム 0.6% 0.2% 0.1%
Aクラス 6.8% 6.7% 5.9%
Bクラス以下 1.0% 0.7% 0.6%
全クラス 2.1% 1.9% 1.6%



 マニラ首都圏のオフィスストック&新規供給予想(単位:㎡)

地区 13年末総面積 14年供給 15年供給 16年供給 合計
マカティCBD 2,827,865 22,802 - - 2,850,668
オルティガス 1,160,350 125,999 75,072 17,378 1,378,799
BGC 929,810 69,529 133,050 250,783 1,383,172
イーストウッド 300,264 - - - 300,264
アラバン 305,707 75,956 - 16,200 397,863
その他 1,027,220 187,702 268,486 280,453 1,763,861
合計 6,551,217 481,988 476,608 564,814 8,074,627

(その他:マニラ、パサイ、マンダルーヨン、ケソン市、BGC=ボニファシオ・グローバルシティ)


 マカティCBDオフィス資本価値(利用可能エリア)(単位:万ペソ/㎡ )

物件タイプ 14年Q2 14年Q3 対前期伸び率 15年Q3(予想) 年間変化率予想
プレミアム 14.2~15.1万 14.4~15.4万 2.1% 15.3~16.7万 7.3%
Aクラス 7.8~11.0万 8.0~11.2万 2.6% 8.5~12.1万 6.8%
Bクラス 5.6~7.7万 5.8~8.0万 3.6% 6.2~8.7万 8.1%

(上記の表は全てコリアーズ・インターナショナル資料より作成、予想も同社によるもの)

<マカティのオフィス賃貸料上昇続く>
高級物件、1年間で6.6%上昇との予想

継続的な需要増加で空室率低下傾向