比の男女平等度、アジアで断トツ、世界第9位に

2014/10/28

教育機会、健康・寿命等で世界1位(142カ国中)
ラオス60位、タイ61位、ベトナム76位、日本104位

 

 スイスの経済研究機関「世界経済フォーラム(WEF)」は10月28日、世界各国の政治、社会、経済面での男女格差を総合的に評価した「世界男女格差(ジェンダーギャップ)報告書2014年版」を発表、そのなかで、男女平等度を指数化、ランキングしている。

 1.経済活動への参加と機会、2.教育機会、3.健康と寿命、4.政治への参加という4大分野(各分野にはさらに細分化された調査項目がある)に分けて、142カ国の男女格差を比較している。

 2014年世界男女格差指数では、北欧諸国が優位な地位を独占している。フィリピンが9位につけ上位10カ国に入ったものの、他のアジア諸国で上位50位に入ったのはモンゴルのみ。日本は1ランク上昇にとどまった。

 2014年男女平等度トップはアイスランド、2位フィンランド、3位ノルウェー、4位スウェーデン、5位デンマーク、6位ニカラグア、7位ルワンダ、8位アイルランド、9位フィリピン、10位ベルギーと続く。

2014年平等度ランキング上位10カ国

国名 総合順位 経済参加・機会 教育機会 健康・寿命 政治参加
アイスランド 1 7 1 128 1
フィンランド 2 21 1 52 2
ノルウェー 3 2 1 98 3
スウェーデン 4 15 43 100 5
デンマーク 5 12 1 65 7
ニカラグア 6 95 33 1 4
ルワンダ 7 25 114 118 6
アイルランド 8 28 40 67 8
フィリピン 9 24 1 1 17
ベルギー 10 27 73 52 13

(出所:世界経済フォーラム資料より作成)

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 フィリピンは世界全体で第9位、アジア・太平洋地域ではトップ。一方、中国は87位(前年69位)、日本104位(前年105位)、韓国は117位(前年111位)。日本のサブ指数は、経済への参加・機会(102位)、教育機会(93位)、健康・寿命(37位)、政治参加・関与(129位)。


アジア・太平洋地域 (2013年136カ国、2014年142カ国)

上位10カ国 2013年 2014年
フィリピン 5 9
ニュージーランド 7 13
オーストラリア 24 24
モンゴル 33 42
シンガポール 58 59
ラオス 60 60
タイ 65 61
バングラディシュ  75  68
ベトナム   73  76
スリランカ 55 79

(出所:世界経済フォーラム資料より作成)


  フィリピンのランクが前年(5位)から4ランク下げたのは、サブ指数である経済活動への参加と機会、及び、政治参加がそれぞれ前年から8ランク、7ランク下げた結果である。

 フィリピンの男女平等度の項目別動向は、教育水準では世界第1位、健康・寿命でも世界第1位、経済への参加・機会で世界24位、政治への参加・関与では 世界第17位とランクされている。
 
 特に教育に関しては、全ての項目で世界トップとなっている。1).識字率は女性が男性の1.01倍 2)初等教育入学率は女性が男性の1.02倍 3)中等教育進学率は女性が男性の1.19倍 4)高等教育進学率については女性が男性の1.24倍となっており、全て世界トップであり、逆不平等といえるほど女性の教育機会が高くなっている。
 
 健康・寿命に関しても、男子に対して女子の出生は0.95倍で1位、平均余命は女性が男性の1.11倍で1位となっている。また、経済への参加・機会に関しては、女性の労働力参加が男性の0.65倍で全体の102位と低い評価であるが、専門・技術職は男性の1.55倍で1位となっている(14 年10月28日の世界経済フォーラム発表より)。