長大、ミンダナオで上水供給へ

2014/10/17

25年間の官民連携(PPP)事業

 

総合建設コンサルタントの長大(本社:東京都中央区)は、フィリピンの特別目的会社(SPC)である「タギボ・アクアテック・ソリューションズ」(TASC))に5%を出資し、ミンダナオ島北東部ブトゥアン市の水事業(上水供給事業。、以下「本事業」)に参入する。



 TASCは、本事業の運営主体となる特別目的会社であり、既にブトゥアン市水道公社へ水を一括(バルク)供給するコンセッション契約を締結している。

 10月14日に、ブトゥアン市で執り行われた覚書の調印式には、長大の井戸昭典・取締役上席執行役員事業推進本部長が出席、大株主であるエクイパルコ社(ミンダナオ島最大のゼネコン)のロニー・ラグナダCOOとツインピーク社の高野元秀社長含むTASCの全株主が席を並べ、覚書にサインした。

 今後長大は、覚書に基づき、TASC内の手続きを経た後に、長大が既存株主から5%の株式譲渡を受ける予定で、2014年内の出資の完了を予定している。長大としては、国内外を通じて、初めての水事業への参入となる。

 本事業は、人口増加や井戸水の使用規制等によって増加が続く水需要に応えるために、厳しい財政状況にあるブトゥアン市水道公社に代わって、TASCが新規の設備投資と維持管理を担い、2015年から25年の長期にわたって事業運営を行い初期投資の回収と収益をあげるPPP(官民連携)事業である。

 なお、長大グループはブトゥアン市において、エクイパルコ社及びツインピーク社と共同で日本スタンダードによる工業団地の開発、ミンダナオ島南アグサン州シバガット市における23MW級の水力発電所の建設などを行いつつある。すなわち、ミンダナオ島で、水、電力、工業団地という重要インフラ開発に関与することになる(14年10月16日の株式会社長大ニュースリリースなどより)。