JBIC、大和精工のフィリピン増産を支援

2014/07/31

ラグナ州での自動車用ミッション部品事業
RCBC、近畿大阪銀行と693万ドル協調融資

 

 国際協力銀行(JBIC)は、7月31日、「海外展開支援融資ファシリティ」の一環として、大和精工(本社:大阪府東大阪市)のフィリピン法人「大和精工フィリピン(DSPC)」との間で、融資金額480万米ドル(JBIC分)を限度とする貸付契約を締結した。



 この融資は、近畿大阪銀行及び近畿大阪銀行提携先のフィリピン地場銀行であるリサール商業銀行(RCBC)との協調によるもので、協調融資総額は約693万5,000米ドル(約7億1,000万円)である。この案件は、フィリピンのラグナ州でのDSPC自動車関連ミッション部品の製造設備増設に必要な資金を融資するものである。

 大和精工は、主に農機具関連部品及び自動車関連部品の製造・販売事業を行う中堅企業である。1997年1月、大和精工はフィリピンに海外製造拠点としてDSPCを設立したが、アジアを中心に、今後も自動車関連部品等の需要拡大が見込まれる中、設備増設を通じた現地事業の拡大を企図している。今回の融資は、こうした大和精工の海外事業展開への支援を通じて、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献するものである。

 JBICの「海外展開支援融資ファシリティ」とは、2013年3月末に期限を迎えた「円高対応緊急ファシリティ」の支援対象分野を拡充上、発展的に改編したものである。JBICは、「日本経済再生に向けた緊急経済対策」(2013年1月11日閣議決定)を踏まえて設置した「海外展開支援出資ファシリティ」とあわせ、日本企業の海外展開を支援する「車の両輪」として、海外M&Aやインフラ、資源案件等への長期資金供給を通じて、中堅・中小企業を含む日本企業の海外展開を積極的に支援していく。
 
 フィリピンにおいて、JBICは今年5月30日に、「海外展開支援融資ファシリティ」の一環として、エンケイ(本社:静岡県浜松市)と271万6,000米ドル(JBIC分)の貸付契約を締結した。この融資は、三菱東京UFJ銀行との協調融資によるもので、協調融資総額は390万米ドル相当である。この案件は、エンケイ・フィリピン(EKP)が行う自動車部品(アルミホイール)の製造・販売事業に必要な資金を融資するものである。

 今年6月30日には、「海外展開支援融資ファシリティ」の一環として、カサイ製作所(本社:愛知県北名古屋市)との間で融資金額350万米ドル(JBIC分)の貸付契約を締結した。この融資は、三井住友銀行との協調融資によるものである。この案件は、カサイ製作所がフィリピンのバタンガス州に自動車用ドアミラースイッチ等のプラスティック樹脂成形部品の製造・販売事業を行うカサイ アドバンスド MFG. フィリピン社 (KAMP)創業に必要な資金を融資するものである。

 JBICは、今後も、日本の公的金融機関として、様々な金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じて、フィリピン等の成長市場における中堅・中小企業を含む日本企業の海外事業展開を支援していく方針である(14年7月31日の株式会社国際協力銀行プレスリリースなどより)。