JBIC、エンケイの比アルミホイール事業支援

2014/05/31

三菱東京UFJ銀行と協調融資、マレーシア等でも

 

  国際協力銀行(JBIC)は、5月30日、「海外展開支援融資ファシリティ」の一環として、エンケイ(本社:静岡県)と271万6千米ドル(JBIC分)の貸付契約を締結した。この融資は、三菱東京UFJ銀行との協調融資によるもので、協調融資総額は390万米ドル相当である。

 この案件は、エンケイの子会社であるフィリピン共和国法人Enkei Philippines, Inc. (EKP)が行う自動車部品(アルミホイール)の製造・販売事業に必要な資金を融資するものである。

 エンケイは日本で初めてアルミホイールの製造に成功した企業であり、独立系企業として各二輪・四輪自動車メーカーに純正アルミホイールを提供している。現在では海外に15の現地法人を持ち、主に日系の自動車メーカーの現地工場に製品を供給している。アジアでは経済発展による中間層の拡大により、二輪・四輪自動車の需要は堅調であり、これに対応するため自動車メーカーも現地での生産を拡大している中、EKPはフィリピン国内市場を中心に製品を供給している。今回の融資はこうしたエンケイの海外事業展開の支援を通じて、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献するものである。

 なお、JBICは、今年4月22日にも、「海外展開支援融資ファシリティ」の一環として、エンケイと総額計499万1,000米ドル(JBIC分)の貸付契約を4件締結している。
 これは、エンケイの子会社であるインドネシア法人PT. ENKEI INDONESIA及びPT. ENKEI MARUTOYO PAINTING INDONESIA、インド法人ENKEI WHEELS (INDIA) LTD.並びにマレーシア法人ENKEI (MALAYSIA) SDN. BHD.が行う自動車部品の製造・販売事業に必要な資金を融資するものである。

 JBICは今後も、日本の公的金融機関として、様々な金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じて、ASEAN等の成長市場における中堅・中小企業を含む日本企業の海外事業展開を金融面から支援していく方針である(14年5月30日の株式会社国際協力銀行プレスリリースより)。