4月の訪日フィリピン人急増、2.3倍の3万人

2014/05/21

訪日外客総数も33%増の123万人、過去最高

 

 日本政府観光局(JNTO)は5月21日、訪日外客数などに関する2014年4月推計値と2014年2月暫定値を発表した。

 2014年4月の訪日外客数(推計値)は前年同月比33.4%増の123万1,500人と なり、これまで4月の過去最高であった2013年の92万3千人を30万8千人上回った。また、3月に引き続き2カ月連続で100万人を突破した。4月の日本の「桜」ツアーが各国で定着化したことに加え、桜シーズンに向け集中的に実施された訪日旅行プロモーション、東南アジアでの査証緩和効果、羽田空港国際線発着枠拡大が奏功した。また、タイのソンクラン休暇、イースター休暇、大型クルーズ船の寄港等が訪日外客数の増加に繋がった。

 市場別では、台湾、タイ、フィリピン、ベトナム、米国、フランスが年間を通じ単月として過去最高を記録。また、中国、香港、シンガポール、マレーシア、インドネシア、インド、豪州、カナダ、英国、ドイツが4月として過去最高を記録した。上位5市場は、1.台湾 (前年同月比30.3%増の25万7,900人) 2.韓国(5%減の19万4,000人) 3.中国(90.3%増の19万0,600人) 4.タイ(65.1%増の9万9,400人) 5.米国(22.6%増の8万5,300人)。フィリピンからは129.5%増の2万9,700人であった。

 訪日フィリピン人急増は、上記の要因にくわえ、昨年が3月であった聖週間(ホーリーウィーク)連休が、今年は4月となり4月の海外旅行者が前年同月比で大幅幅増加したという要因がある。また、各航空会社が日本⇔フィリピン路線の増便、就航を積極化させたことも大きい。

 フィリピン航空(PAL)は3月30日より羽田⇔マニラ線を、昼間時間帯1便、深夜早朝時間帯便1便、合計毎日2便でのスケジュールにて就航を開始した。
 さらに、PALは関空⇔マニラ線、名古屋⇔マニラ線をダブルデイリー化(1日2便)した。また、福岡⇔マニラ線をこれまでの週5便(月・木・金・土・日 )からデイリー化(毎日便)へと増便した。PALは昨年12月15日より東京(成田)⇔マニラ線を1日3便、東京 (成田)⇔セブ線を1日2便へと大幅増便している。3月30日の再増便により、PALの日本⇔フィリピン線は1日11便となった。

 格安航空(LCC)最大手のセブ・パシフィック航空(PAL)は、マニラ⇔東京(成田)線を就航した。また、マニラ⇔名古屋(中部国際空港)線も就航した。そして、全日空運輸(ANA)が羽田⇔マニラ線を就航した。ANAにとって、成田便に次ぐフィリピン2路線目である。

 2014年年初4カ月間(1~4月)の累計訪日外客数(推計値)は前年同期比29.2%増の410万6,000人。上位5市場は、1.韓国(前年同期比0.8%減の87万3,100人) 2.台湾(40.8%増の85万4,600人) 3.中国(88%増の66万8,600人) 4.米国(15%増の27万8,000人)、5.香港(34.5%増の27万2,000人)。フィリピンからは56.9%増の5万9,100人であった。

 一方、詳細が明示されている2014年2月暫定値によると、2月の訪日外客数は 前年同月比20.6%増の88万0,020人(観光客: 23%増の68万8,902人、商用客:13.9%増の11万8,741人、その他:10.9%増の7万2,377人)。そのうち訪日フィリピン人の数は前年同月比48.4%増の7,495人、内訳は観光客が62.2%増の4,435人、商用客が29.7%増の1,481人、その他が34.7%増の1,579人であった。

 2014年年初2カ月間(1~2月)では、前年同期比30.5%増の182万4,029人(観光客:39.7%増の141万9,421人、商用客:5.7%増の22万7,234人、その他客:6.2%増の17万7,374人)。そのうちフィリピン人は32.7%増の1万6,655人(観光客:55.7%増の8,074人、商用客:22.9%増の3,371人、その他客:12.7%増の5,210人)と二桁増であった。

注)「訪日外客」とは、国籍に基づく法務省集計による外国人正規入国者から日本 に永住する外国人を除き、これに、日本を経由して第三国に向かうために日本に一時的に入国した通過客(一時上陸客)を加えた入国外国人旅行者のことであ る。「観光客」とは、短期滞在の入国者から「商用客」を引いた入国外国人で、親族友人訪問を含んでいる(14年5月21日の日本政府観光局発表より)。