中央銀行、預金準備率を連続で引上げ(計2%)

2014/05/08

金融引締の動き、政策金利は12回連続据え置き

 

中央銀行(BSP)は、5月8日(木)に、2014年3回目の金融委員会(MB)定例会議を開催した。

 

 このMB定例会議において、主要政策金利である翌日物金利は、12回連続での据え置きが決定された。これにより、翌日物借入金利3.50%、翌日物貸出金利5.50%という史上最低が継続されることとなった。 また、特別預金口座(SDA)の金利についても2.00%という現行水準が維持されることが決定された。

 ただし、預金準備率を1%引き上げ20%とすることが決定された(実施は5月30日から)。これは前回の1%に続く2回連続での引上げ措置である。預金準備率引き上げは、各銀行の貸出余力を縮小させることで金融引き締め効果をもたらす。利上げにくらべ緩やかな引き締め措置ではあるが、2回連続で実施されたことが注目される。

 MBは、インフレ率が2014年、2015年ともに、政府インフレ目標内に収まる見通しであり、利上げまで行う必要はないと判断した。また、引き続き、台風被害による景気への悪影響を軽減する観点から、金利据え置きが得策と判断したようだ。

 しかし、電力料金や運賃値上げ問題がくすぶっているうえ、食料品の値上がり懸念など、将来のインフレ率上昇につながる要素も少なくない。したがって、連続での預金準備率引上げという措置に踏み切った。

 BSPは「引き続き、インフレ抑制のために物価や需要動向を注視していく。必要ならば、さらなる金融政策変更の用意はある」と表明した (14年5月8日のフィリピン中央銀行発表などより)。