カジノ「ソレア」運営企業、第1四半期黒字転換

2014/04/29

純利益15億ペソ、昨年の13億ペソの赤字から急浮上

 

 フィリピン政府は、国家プロジェクトとして観光事業を強力に推進することを目的に、マ二ラ湾岸沿いに「マニラベイ・エンターテインメントシティー」を創設しつつある。

 「マニラベイ・エンターテインメントシティー」においては、汚職疑惑で揺れるユニバーサルエンターテインメント・グループを含む4グループのカジノ複合リゾート施設の開発が行われつつある。

 その4グループの一つが当地最大の港湾企業インターナショナル・コンテナ・ターミナル・サービシズ(ICTSI)の総帥エンリケ・ラソン氏傘下のブルームベリー・リゾーツ(ブルームベリー)である。このブルームベリーによる大型カジノ・リゾート「ソレア・リゾート&カジノ」(ソレア)は2013年3月16日に開業した。当初は500室でオープン、2年後に第2期プロジェクトでの300室を加え800室とする計画である。

 このブルームベリーが2014年度第1四半期(1月~3月)の決算速報を発表した。それによると、第1四半期の収入は、ソレアのフル寄与で前年同期比 11倍の73億8,100万ペソへと急増した。最終損益は14億6,100万ペソの黒字で、前年同期の10億5,600万ペソの赤字から急改善した。また、2013年1年間の赤字13億1,500万ペソの赤字からも急浮上、早くも大幅黒字計上に至った。

 2013年は3月にソレアが開業したものの、開業費用負担や先行投資負担などが響き赤字となったが、今四半期は早くもそれらの投資の開花期を迎えた といえる。ちなみに、ソレア開業のため、2012年121億ペソ、2013年125億ペソと高水準の設備投資を行ってきた。今第1四半期は49億ペソと高水準ながら、前年同期との比較では50%減少となった。

 なお、ブルームベリーを率いるエンリケ・ラソン氏は、先頃、ソレアを日本でも開業することを視野に入れていると表明した。ただし、最終決定や進出時期などは、 日本でのカジノ法案(複合リゾート施設の整備を政府に促す法案)の動向を見極めてから検討すると説明した(14年4月28日のフィリピン証券取引所回覧02070-2014号などより)。