自動車所有世帯比率、世界56位(60カ国中)
2014/04/27
良い車への買い替え願望比率96%で世界トップ
車をステータスの象徴と捉える比率は72%で5位
世界的な情報・調査企業であるニールセンは、このほど、『自動車需要に関するグローバル調査』結果を発表した。
『ニールセン 自動車需要に関するグローバル調査』は、アジア太平洋、欧州、中南米、中東・アフリカ、北米の60の国と地域で3万人以上の消費者を対象に、2013年8月14日から9月6日にかけて実施された。サンプルには各国ごとに年齢や性別の条件が設定され、インターネットを利用する消費者を代表するように割り付けられている。最大許容誤差は ±0.6% である。今回のニールセン調査はインターネットアクセスを持つ回答者のみを対象にしている。したがって、インターネットアクセスのない貧困層などは調査対象外である。
この調査によると、東南アジア市場の大半の国では自動車所有率が世界で最も低い水準にあるものの、同地域における自動車購入意向は極めて高く、今後2年間の世界の自動車需要の大部分を占めるであろうと予測されている。
東南アジア5カ国(フィリピン、インドネシア、 マレーシア、 シンガポール、タイ)での自動車所有世帯比率(インターネットアクセスのある世帯での比率:以下同様)が、他地域に比べて低いことが明らかになった。所有世帯比率はフィリピンが53%、インドネシアが54%でそれぞれ60カ国・地域の下から5番目、6番目の低さである。シンガポールは60%、タイが81%。地域の中で唯一の例外となったのはマレーシアで、世界で3番目に高い93%の世帯が自動車を所有し、2台以上所有する世帯の割合は54%で世界最高となっている。世界平均は74%、日本は75%である。
東南アジア地域の自動車所有率は全般に低いながらも、購入意向は高く、中でもインドネシア、フィリピン、タイは今後2年間の自動車購入意向においていずれも世界のトップ10に入っている。インドネシアとタイでは回答者のおよそ8割(それぞれ81%、79%)が今後2年以内に自動車を購入するつもりであると答え、フィリピンでも世界平均(65%)を大きく上回る76%が購入意向を示している。日本は36%であった。
また、東南アジアでは自動車所有者の買い替え需要も旺盛で、フィリピンではより良い車に替えたいと答える人の割合が全世界で最も高く、インドネシアでも同4位となっています。「金銭的余裕があればもっと良い自動車に買い替えたい」と答える人はフィリピン(96%)、インドネシア(95%)、マレーシア(93%)でそれぞれ9割を超え、タイ(89%)、そしてシンガポール(87%)でも世界平均(89%)と同等の水準である。日本は75%であった。
東南アジアの自動車所有者の多くは「車は自分の人生の成功の象徴である」と考えていることも判明した。車をステータスの象徴と捉える人の割合を見ると、世界のトップ10 に東南アジアの国が3カ国入っている。タイでは自動車所有者の79%が自分の車をステータスの象徴と考えており、世界で2番目に高い割合であった。以下、フィリピンが72%(世界第5位)、インドネシアが67%(同10位)と続き、マレーシアでは62%、シンガポールでは54%であった。なお、世界平均は52%、日本は30%であった。
ニールセンの自動車産業部門 東南アジア、北アジア、太平洋地域担当マネージング・ディレクターのチャン・パーク氏は、「東南アジアの消費者、中でも台頭著しい中間層は高い向上心を持っている。所得が増加したことで自分の欲しいもの、必要なものを購入できるようになった消費者は、自身の新たな社会的ステータスを示すための消費にも意欲的である。多くの中間層にとって自動車を持つことは、自分の生活が大きく向上したことの証であり、自身の成功の代名詞であると考えられている」と説明している(14年4月17日のニールセン・カンパニー合同会社ニュースリリースなどより)。