ヘリテージ・ホテル大幅減益、カジノ閉鎖響く
2014/03/02
ヘリテージ・ホテル(マニラ首都圏パサイ市、450室)を保有・運営しているグランド・プラザ・ホテル(GPH)の業績が低迷している。2013年7月末のヘリテージ・ホテルにおける賭博公社(PAGCOR)のカジノ閉鎖が影響している。
GPHは2月27日に、2013年度(1月~12月)の年次報告書を発表した。GPHの営業資産はヘリテージ・ホテルのみであり、その年次報告書はヘリテージ・ホテル動向であるといえる。
2013年度のGPHの営業収入は前年比15%減の5億8,260万ペソへと二桁減少した。まず、主力のホテル客室収入が同4%減の3億3,600万ペソと低調であった。客室稼働率は66%へと上昇(前年は64%)したが、競争激化で平均宿泊料が1泊当たり同6.5%減の3,101ペソへと低下した。
一方、飲食収入はカジノ閉鎖の余波で同13%減の1億5,800万ペソと不振であった。さらに、カジノ閉鎖により、賃貸料収入が同42%減の6,000万ペソへと急減した。
大幅減収効果などにより、純営業利益は同51%減の1億0,884万ペソ、純利益は同48%減の8,558万ペソ、1株当たり利益(EPS)も46%減の1.53ペソへと減少した。なお、2012年の純利益も6%減少しており、2年連続での減益決算となった。
なお、ヘリテージ・ホテルのPAGCORカジノ・ライセンスは2013年7月10日に期限切れとなったが、ヘリテージ・ホテルは更改を行わなかった。ヘリテージ・ホテルのカジノ面積は4,745平米であったが、現在、マニラ湾岸沿いでの大規模カジノ・リゾートプロジェクトが進展していることから、ヘリテージ・ホテルでのカジノ事業は今後厳しくなるとの判断がなされたと見られる(グランド・プラザ・ホテル2013年年次報告書などより)。