オフィス賃貸料、第2四半期もさらに上昇

2013/08/13

マカティ高級物件、1年で7.3%値上がりへ
915~1,263ペソ/㎡に:コリアーズ予想
 

 世界中のマーケットにおいて総合的な不動産の コンサルティング業務を行っているコリアーズ・インターナショナル(コリアーズ)が、フィリピンオフィス不動産市場概観2013年第2四半期(4~6月)動向及び今後の見通しを発表した。

 2013年にマニラ首都圏で新たに供給される新オフィスの総面積は56万平米超となる見通し。このうちの約半分が既に市場に出ている。第2四半期にはマカティ、マッキンリーヒル(ボニファシオ・グローバルシティー、BGC)及びUPアヤラ・テクノハブに4ビル(利用可能面積6万9,000平米超)が完成。先頃完成したアルファランド・マカティ・タワー(リース面積3万8,000平米)は伝統的・多国籍企業向けのオフィスである。

 マカティ中央ビジネス区(CBD)の現在のオフィス供給量は約280万平米で、14年第2四半期に完成予定のVコーポレートタワー(2万8,900平米、サルセド・ビレッジ、レビステ通り)の他に新たなオフィス供給計画はなく、長期的に見て供給量は横這い状態となるもよう。

 第2四半期のオフィス需要に関しては、マカティCBDのAクラスオフィスの空室率は前期の2.1%から一気に7.8%に上昇。アルファランド・マカティ・タワーの低調な入居率が影響した。プレミアム物件の空室率は4.8%で前期を下回った。全クラスでは1年後の空室率予想は3.5%。

 オフィス月間賃貸料は第2四半期も値上がりが続き、プレミアム物件の平均賃貸料は前期比3.6%増の1,015ペソ/平米となった。コリアーズは、今後12カ月間(14年第2四半期)にプレミアム物件で7.3%、A・Bクラスで6.8%、5.4%超上昇すると予想している(13年8月12日のコリアーズ・フィリピンズ発表より)。

 

 

マカティCBDオフィス平米当たり月間賃貸料(単位:ペソ/ ㎡)
物件タイプ 13年Q2 13年Q1 対前期伸び率 14年Q2(予) 年間変化率予想
プレミアム 860~1,170 860~1,100 3.6% 915~1,263 7.3%
Aクラス 580~900 575~900 1.0% 630~950 6.8%
Bクラス 455~620 450~575 4.9% 488~645 5.4%


マカティCBDオフィス空室率
物件タイプ 13年Q2 13年Q1 14年Q2(予)
プレミアム 4.88% 5.83% 3.29%
Aクラス 7.88% 2.13% 5.69%
Bクラス以下 1.88% 3.25% 2.97%
全クラス 3.53% 3.38% 3.58%


マニラ首都圏のオフィスストック&新規供給予想(単位:㎡)
地区 12年末総面積 13年供給 14年供給 15年供給 合計
マカティCBD 2,771,784 74,130 24,248 - 2,870,162
オルティガス 1,175,350 66,999 39,773 - 1,282,122
BGC 747,116 226,497 149,069 154,214 1,276,896
イーストウッド 313,864 - - - 313,864
アラバン 303,866 31,131 59,106 51,797 445,900
その他 872,983 161,407 132,507 202,364 1,369,261
合計 6,184,963 560,164 404,703 408,375 7,558,205
(その他:マニラ、パサイ、マンダルーヨン、ケソン市、BGC=ボニファシオ・グローバルシティ)

マカティCBDオフィス資産価値(利用可能エリア)(単位:万ペソ/㎡ )
物件タイプ 13年Q2 13年Q1 対前期伸び率 14年Q2(予想) 年間変化率予想
プレミアム 13.2~13.9万 12.0~13.2万 2.3% 14.1~14.7万 6.1%
Aクラス 7.2~9.9万 7.2~9.9万 0.5% 7.6~10.5万 5.8%
Bクラス 5.1~7.0万 5.0~6.7万 4.7% 5.4~7.4万 5.1%
(上記の表は全てコリアーズ・インターナショナル資料より作成、予想も同社によるもの)