フィリピン一部地域の危険情報引き下げ
2013/07/22
パラワン州やジェネラル・サントス市など
「渡航の是非検討を」から「十分注意」に
日本外務省がフィリピン危険情報にて
7月22日に日本外務省は、フィリピンに対する渡航情報(危険情報)を発出した。その概要は以下の通り。
1.地域情勢
(1)「渡航の延期をお勧めします」(継続):ミンダナオ地域の一部地域(南サンボアンガ州,北サンボアンガ州,サンボアンガ・シブガイ州,サンボアンガ市,西ミサミス州,南ラナオ州,北ラナオ州,コタバト州(旧北コタバト州),マギンダナオ州,スルタン・クダラット州,サランガニ州,バシラン州,スールー州及びタウイタウイ州)(周辺海域を含む)。
これらの地域(周辺海域を含む)においては反政府勢力、国際テロ組織、武装勢力の活動が懸念され、今後もテロ・誘拐等が発生する可能性が否定できないため、目的のいかんを問わず、渡航を延期することを勧める。仮にやむを得ず渡航する場合には、滞在期間は短期間にとどめ、滞在中は身の回りや行動に細心の注意を払うようにすること。
(2)「渡航の是非を検討してください」(継続):ミンダナオ地域のうち上記「渡航の延期をお勧めします」発出地域以外の地域(カミギン州,ディナガット・アイランズ州,カガヤン・デ・オロ市,ダバオ市及びジェネラル・サントス市を除く)(周辺海域を含む)
ミンダナオ島東北部では、主にNPAの活動が認められ、コンポステラ・バレー州、南・北スリガオ州、南・北アグサン州及びブキドノン州では、民間企業襲撃事件が多く発生している。2011年10月には、北スリガオ州においてNPAによる日系鉱山施設等への大規模な襲撃事件が発生した(被害者なし)。これらの州や東・南ダバオ州ではNPAと国軍との間で散発的に交戦が発生しているほか、アブサヤフ(ASG)等の反政府勢力の活動も見られ,テロや誘拐等不測の事態が発生する可能性も否定できない。
ついては,これらの地域及び周辺海域への渡航予定者は、渡航の是非を含め自らの安全対策を真剣に検討し、最新の現地治安情勢について真剣に情報収集するとともに、安全確保のため準備を十分に行い、不測の事態に巻き込まれないよう注意すること。
(3)「十分注意してください」(引き下げ):パラワン州(最北部を除く、最北部は「従来から十分注意してください」の範疇)、ディナガット・アイランズ州、ジェネラル・サントス市。
パラワン州においても、NPAが地元警察署や民間企業を襲撃して武器を強奪する事件が発生するなど、山間部を中心にNPAの活動が認められるが,大規模なテロ事件は近年発生しておらず、一般治安状況も概ね安定している。ディナガット・アイランズ州においても過去数年間テロ等の事件は報告されておらず、治安は比較的安定している。ジェネラル・サントス市については、過去に爆弾テロ事件等が発生したが、2007年以降大規模なテロ事件は発生しておらず、市内の治安は安定してきている。
したがって、これらの地域の危険情報を「十分注意してください」に引き下げた。しかし、不測の事態が発生する可能性は排除されないので、渡航にあたっては現地の治安情報に注意を払い、不測の事態に遭わないよう十分注意されたし。
(4)「十分注意してください」(継続):上記地域以外のマニラ首都圏を含む全地域。
概況としては、以下のように記されている。
1.政治情勢
2010年6月に就任したアキノ大統領は、3年目に入っても70%を超える高い支持率を背景に、汚職、腐敗の撲滅、治安強化及びミンダナオ和平推進を重要政策として掲げ、安定的に政権を運営してきている。
2013年5月13日には3年に一度の中間選挙が概ね平穏裡に終了し、結果は政権与党が勝利した。アキノ大統領の任期後半3年間の施政が注目される。
なお、詳細は日本外務省のウエブサイトhttp://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo.asp?infocode=2013T096に掲載されている(13年7月22日の日本外務省発表などより)。