フィリピンでの日本語学習者数、3年間で45%増加

2013/07/09

3万2千人で国別10位、世界全体では9%増の398万人
1位中国で27%増の105万人、3位の韓国は13%減少
 

  国際交流基金(ジャパンファウンデーション)は、世界各国での日本語教育の最新状況を把握するために、3年に1度「海外日本語教育機関調査」を実施している。


 2012年調査速報値によると、2012年の世界の日本語学習者数は約398万人に達し、3年前の2009年の約365万人から9.1%増加 した。日本語教育機関数は、2009年比7.5%増の1万6,045機関、日本語教師数は同28%増の6万3,771人となっている。

 国・地域別学習者数トップは、中国で、2009年比26.5%増の104万6,490人に達している。2位はインドネシアの同21.8%増の87万2,406人、3位は韓国の同12.8%減の84万0,187人となっている。3年前は、韓国が2位で96万人超であった。

 以下、4位豪州の同7.6%増の29万6,672人、5位台湾の同5.9%減の23万2,967人、6位米国の同10.4%増の15万5,939人、7位タイの同64.5%増の12万9,616人、8位ベトナムの同5.6%増の4万6,762人、9位マレーシアの同44.7%増の3万3,077人、10位フィリピンの同45%増の3万2,418人と続く。

 フィリピンでの学習者数は3年前に比べ大幅増加となっている。しかし、依然、インドネシア、タイ、マレーシア、ベトナムなどASEAN主要国を下回っている。ASEANではインドネシアに続く人口大国であるが、日本語学習者数は低水準である、なお、3年間の伸び率では、タイの64.5%増が目立っている。

 中国においては、日本のポップ・カルチャーへの関心を背景にした学習動機や「将来の就職」等経済的・実利的理由に支えられて大学を中心に学習者が伸びている。
 インドネシアでは、タイ、フィリピン、マレーシア等他の東南アジア諸国と同様に、引き続き、外国語の選択科目として学ぶ高校生を中心に学習者の大きな伸びが見られた。一方、韓国では、高校における教育制度の変更が、日本語を含む外国語選択に影響を及ぼしたことなどにより、学習者数が減少した。

 世界全体として、高校等の中等教育段階の学習者の拡大が続いている中で、これら学習者の関心、期待に応える教材の開発・提供や教師の能力を維持・向上させる必要などの課題へ対応の必要性も強く意識される結果となった(13年7月8日の国際交流基金プレスリリースより)。