比セブン・イレブン高成長、純利益が倍増

2013/05/20

847店に、ミニストップは345店:第1四半期末

  フィリピンのセブン・イレブンは、台湾系のプレジデント・チェーン・ストア(ラブアン)ホールディングスが51.56%を所有(2013年3月末現在)するフィリピン・セブン社(PSC)によって運営されている。

  PSCは1982年11月に設立され、同年12月に米国テキサス州ダラスのサウスランド社(その後セブン-イレブン社に社名変更)からフィリピンでのセブン-イレブン運営ライセンスを獲得。1998年2月4日に、フィリピン証券取引所(PSE)に上場した。

  このPSCが2013年度第1四半期(1月~3月)報告書を公表した。それによると、第1四半期のグループ総収入は前年同期比35.5%増の41億5,529万ペソ、PSC営業収入は同29%増の38億6,149万ペソ、商品売上高も同29%増の34億4,294万ペソ、純利益は同102%増の1億1,388万ペソと大幅増収増益決算となった。

 2013年第1四半期は、夏の訪れが早く高温であったこと、新規出店効果、商品構成見直し、効率化、公共料金支払いやクレジットカード取り扱い拡大などによる一層の顧客利便性向上にくわえ、5月13日投票の中間総選挙特需などにより好決算となった。

 2013年3月末のフィリピンでのセブン・イレブン総店舗数は847店に達し、2012年末の829店から18店の増加となった。前年同月末の714店からは133店、率にして19%増加した。847店舗のうち、3分の2がフランチャイズ店である。
 
 フィリピンでのセブン・イレブン第1号店は、1984年2月にケソン市エドサ通り沿いにオープンした。当初の出店ピッチは鈍かったが、2000年の小売業界規制緩和を契機に出店ピッチが速まった。そして、2006年末287店、2007年末311店、2008年末368店、2009年末447店、2010年末551店、2011年末689店、2012年末829店、そして2013年3月末847店と順調に拡大している。

 一昨年まではセブン・イレブン店舗展開はルソン地域に限られていたが、今後はセブやミンダナオでも展開する方針であり、昨年7月31日にセブに初出店した。12月末時点でのセブ店舗数は25店に達しており、早期に100店体制とする方針である。。

 いずれにしても、フィリピンのコンビニエンス・ストア業界が離陸期入りし高成長を続けているといえる。そして、業界トップ(店舗数シェアで約45%)のセブンイレブンをミニストップやマーキュリー・セルフサービスが追うという構図になっている。ちなみに、3月末のミニストップ店舗数は345店、今年4月にはファミリーマートもフィリピン1号店をオープンした。
 
 PSCアニュアル・レポートによると、2012年末のフィリピンのブランドコンビニエンス・ストアの総店舗数は前年末比32%増の1,829店。シェアはセブンイレブン45%、ミニストップ18%、マーキュリー33%、サンミゲル・フードショップ2%となっている(フィリピン・セブンの2013年度第1四半期報告書などより)。

フィリピンのブランドコンビ二エンス・ストア店舗数とシェア
2010年末 11年末 12年末 12年末シェア 13年3月末
セブン・イレブン 551 689 829 45% 847
マーキュリー・セルフサービス 287 345 606 33% N.A.
ミニストップ 336 325 334 18% 345
サンミゲル・フードショップ 13 25 60 3% N.A.
合計 1,187 1,384 1,829 100% N.A.
(出所:フィリピン・セブン資料より作成、ミニストップ店舗数は日本側発表と多少異なる)