日本、フィリピンの辺境農村地域の電化推進

2013/05/03

イフガオなどでの小型水力発電所建設支援

 

 フィリピンのイフガオ州とイサベラ州の辺境農村地域への安価な電力供給源として、小規模水力発電所が建設される。

 国際協力機構(JICA)は、この小規模水力発電所建設のフィジビリティー・スタディー実施、そして建設資金援助を行う。JICAとフィリピン国家経済開発庁(NEDA)は4月30日に、この小規模水力発電所建設実施契約を締結した。

 それによると、イフガオ州では、810キロワット(kw)の水力発電所が建設される。建設期間は2013年5月から2015年2月までと予定されている。JICAが建設資金8億9,300万円を拠出する。
 一方、イサベラ州では45kwの水力発電所が建設される。建設期間は2013年5月から2014年11月までと予定されている。やはり、JICAが建設資金1億4,700万円を拠出する。双方合計の支援額は10億4,000万円となる。

 フィリピンはエネルギー源の多様化を進めているが、依然発電量の約半分を輸入化石燃料に依存しており、エネルギー安全保障及び温室効果ガス排出量削減の観点から、一層の国産・再生可能エネルギーへの転換が望まれている。

 フィリピンにおいて水力発電は全体の電力供給の16%を賄い、再生可能エネルギーの中では地熱発電と並ぶ主要な電力供給源となっており、今後一層の活用が望まれる。プロジェクトの対象地域であるイフガオ州は豊富な水資源と落差の大きい地形が多く存在し、同国内で有数の小水力発電の候補地である。
 
 同州は山間部農業を中心とした産業構成になっており、世帯の電化率がおよそ65%と全国的にも低い水準にある(全国平均は80%)。今後の電化率向上に向けて、小規模水力発電所が有効な手段として期待されている(13年5月1日のフィリピン国家経済開発庁発表より)。