昭和電工の生分解性樹脂、フィリピンで生産開始
2013/01/07
「ビオノーレ・スタークラ」をD&LポリマーがOEM製造
ビニール買物袋禁止強化の動きに対応、輸出も
昭和電工とフィリピンのD&Lポリマーズ&カラ―ズ(DLPC)はこのほど、昭和電工の生分解性素材「ビオノーレ スタークラ」生産に関するOEM契約を締結した。
生分解性プラスチック「ビオノーレ」は、プラスチックのもつ使い勝手のよさと、自然環境の中で水と炭酸ガスに分解できる環境適合性とを両立させた素材である。すでに、フィルム、シート、フィラメント、不織布、ラミネート、発泡成形品、射出成形品として商品化されている。
ビオノーレは、様々な自然環境下でも生分解することが確認されている。特に堆肥の中での分解については、国際的な認証審査機関であるAVIから、充分な分解を保証する「OKコンポストラベル」の認証を取得している。昭和電工は現在、農業水産用資材、土木建設用資材、日用雑貨品を中心に、ビオノーレの用途分野を拡大している。
「ビオノーレ スタークラ」は、「ビオノーレ」と植物由来原料であるデンプンやポリ乳酸を混ぜ合わせてCO2排出量を一層削減した樹脂である。
1月7日付けフィリピン各紙電子版によると、昭和電工とDLPCのOEM契約期間は、2013年11月19日までの1年間で、契約更改が可能となっているとのことである。DLPCは、ラグナ州カンルーバン工場において、「ビオノーレ スタークラ」を1年間で5万トンを生産する。そして、国内需要に対応するとともに輸出も行う。
フィリピンでも、小売店などでのビニールの買物袋使用禁止の動きが強まっている。ビニール袋が紙袋に置き換えられつつあるが、紙袋は重たいものや濡れたものの包装には適していない。今後、生分解性樹脂の需要が高まると予想される。
なお、DLPCは、昨年12月12日にフィリピン証券取引所(PSE)に上場されたD&Lインダストリーズ(D&L)の子会社である