フィリピンのカジノ事業検証のための第三者委員会設置

2013/01/07

ユニバーサルエンターテインメント、不正疑惑報道に対応

 日本の大手カジノ・娯楽関連企業であるユニバーサルエンターテインメント(旧社名アルゼ、ジャスダック上場、以下UE)は、1月7日に、UE社がフィリピンで進めている大型カジノ・リゾートプロジェクトの検証を行う第三者委員会を設置すると発表した。

 UEは、「ロイター及び朝日新聞等の一部報道機関が、UEグループが進めるカジノ・リゾート事業に関して、あたかも不正な資金の提供が行われたかの如く、妥当性及び公平性を著しく欠く事実と異なる報道を行っている」とのこれまでの主張を繰り返すとともに、「より公正中立な検証等を進めるべく、日本弁護士連合会策定による第三者委員会ガイドライン(2010年7月15日公表)に沿って、UEと利害関係のない弁護士等で構成する調査委員会(第三者委員会)の設置を1月7日に決定した」と説明した。

 現在委員の選定を進め、調査のスケジュール等の調整を行なっている段階であるが、調査範囲、構成委員、スケジュールについては、決定次第改めて発表するとのことである。第三者委員会においては、厳正かつ徹底した調査を行った後、UEに対して調査報告書の提出がなされる予定であり、これら調査の結果明らかになった事実関係等については、速やかに開示を行なって行くとのことでもある。

 なお、フィリピン政府は、国家プロジェクトとして観光事業を強力に推進することを目的に、マ二ラ湾岸沿いに「マニラベイ・エンターテインメントシティー」を創設、UEグループを含む4グループのカジノ複合リゾート施設の開発が行われつつある。

 UEグループのプロジェクトは『マニラベイ・リゾーツ』と称され、世界最大規模のカジノ施設を含む豪華ホテルや高級レストラン、商業施設、バジェットホテル、コンドミニアム、世界最大級の噴水やビーチクラブを兼備した一大複合リゾート開発が計画されている。
 UEグループ゚は、2008年7月にプロジェクト用地取得、2008年8月に暫定カジノ・ライセンス取得などの準備を進めてきた。UE社の推定総投資額は20億ドル超とも報じられてきている。
 
 しかし、この事業における認可プロセスなどにおいて、UEグループからフィリピン賭博公社の当時のトップなどに巨額の不正資金が流れたのではとの疑惑が生じ、最近米国やフィリピン当局が捜査に着手している(13年1月7日の株式会社ユニバーサルエンターテインメントIRリリースなどより)。