フィリピン・カジノ巨額贈賄報道に対して訴訟
2012/12/04
ユニバーサルE、ロイターを名誉・信用棄損で提訴
日本のカジノ・娯楽関連企業であるユニバーサルエンターテインメント(旧社名アルゼ、ジャスダック上場、以下UE)は、12月4日に、トムソン・ロイター社(ロイター)の報道記事によって、名誉または信用毀損等の損害を被ったとして、ロイター並びにその編集者や記者に対し、損害賠償(総額192億円)の一部(2億円)請求訴訟を提起した。
UEは、ロイターによる「フィリピン・マニラ湾岸での巨大カジノリゾート・プロジェクトにおいて、UEグループから2010年1月─5月に、フィリピン政府及び関係機関に対して4,000万米ドルもの巨額資金が提供された」などとの一連の報道に対し、「事実と全く異なる。ロイターが公平かつ適切な取材活動を行っていれば、容易に回避できたはずの事実誤認や偏見が含まれている」と強く反論した。
そして、「ロイターは、本来何も問題のないはずの事項を疑惑と仕立て上げ、事実関係の十分な確認と当事者に対する取材を欠いたまま、UEにとって殊更に不利な情報に加工して悪意に満ちた報道を行っている。ロイターはその偏向的報道によってもたらした損害について、全面的にその法的責任を負うべき」として訴訟を提起した。
なお、このカジノリゾート不正疑惑に関しては、米国のカジノ事業を監督するネバダ州カジノ規制委員会(NGB)などによって調査が続けられている。この動きや報道をうけて、フィリピンでも、司法省や議会での調査が開始されている。
UE社グループ゚は2008年より、フィリピン首都圏マニラ湾岸埋立地で計画され、フィリピンの国家事業として注目されているマニラ湾岸沿いの「マニラ・ベイ・エンターテインメント・シティ」にてカジノ・ホテルリゾートの開発を計画し、2008年7月にプロジェクト用地取得、2008年8月に暫定カジノ・ライセンス取得などの準備を進めてきた。UE社の推定総投資額は20億ドル超とも報じられてきている。
この事業における認可プロセスなどにおいて、巨額の不正資金が動いたのではとの疑惑が生じているのである(12年12月4日の株式会社ユニバーサルエンターテインメントIRリリースなどより)。