日・フィリピン首脳会談:5日ラオスで
2012/11/05
二国間関係の更なる緊密化へ連携へ
南シナ海問題についても意見交換
11月5日に日・フィリピン首脳会談が開催された。
アジア欧州会合(ASEM)第9回首脳会合に出席するためラオスを訪問中の野田佳彦内閣総理大臣は、5日15時40分(現地時間)から約20分間、ベニグノ・アキノ3世フィリピン大統領との間で、日・フィリピン首脳会談を行った。両首脳による会談は、昨年9月のアキノ大統領訪日のとき以来2度目であり、打ち解けた雰囲気の中で意見交換が行われた。その概要は以下のとおり。
1.冒頭、野田総理は、デル・ロサリオ外務大臣の訪日(6月)や第1回日・フィリピン次官級戦略対話の実施(3月)等を通じ、昨年9月のアキノ大統領訪日の成果が着実にフォローアップされていることを歓迎し、両首脳は、「戦略的パートナーシップ」にふさわしい二国間関係の構築に向けて、引き続き緊密に連携していくことで一致した。
2.ミンダナオ和平交渉に関し、野田総理から、アキノ大統領の力強い指導力の下で「枠組み合意」が署名に至ったことに歓迎の意を示すとともに、最終和平の達成のために引き続き最大限の貢献をするとの決意を伝達した。これに対し、アキノ大統領から、和平プロセスにおけるこれまでの日本の支援に謝意が表明されるとともに、昨年8月に日本政府の仲介によりモロ・イスラム解放戦線(MILF)のムラド議長とのトップ会談を成田近郊で開催したことが歴史的な「枠組み合意」につながった旨の言及があった。
3.両首脳は、東アジア首脳会議(EAS)に関し、昨年の大きな成果を踏まえて有意義な議論が行われるよう両国で連携していくこと、また、来年の日・ASEAN友好協力40周年という好機を利用して、中長期的な日・ASEAN関係を一層強化していくことについて一致したほか、南シナ海をめぐる問題等についても意見交換を行った。
4.野田総理から、日中関係は日本にとって最も重要な二国間関係の一つであり、現下の日中関係をめぐる事態に対しては当初から一貫して冷静に対応し、アジア太平洋地域の責任ある国として、地域の平和と繁栄のために貢献していくとの日本の姿勢を説明した(12年11月5日の日本外務省発表より)。