ファミリーマート、フィリピン進出正式決定
2012/11/05
アヤラ、ルスタン、伊藤忠との合弁方式で
セブン・イレブンやミニストップ追撃へ
株式会社ファミリーマートは、フィリピンにおいて合弁方式でコンビニエンス・ストア事業を展開する。
株式会社ファミリーマートは11月5日に、同社、伊藤忠商事、アヤラ・グループとルスタン・グループの合弁会社SIAL CVSリテイラーズ社(SIAL)の3社が、フィリピンにおけるファミリーマート店舗の展開について合弁契約を締結したと発表した。出資比率は株式会社ファミリーマート37%、伊藤忠3%、SIAL60%と予定されている。
アヤラはフィリピン最大のコングロマリットである。また、ルスタンは有力小売企業であり、無印良品店を4店展開している。
3社による新合弁企業は、2013年の早い時期にマニラ首都圏にファミリーマート・フィリピン第1号店を出店、2013年度に30店、2017年度に300店体制を目指すとのことである。
フィリピンのコンビニエンス・ストア業界が離陸期入りし、高成長を続けている。そして、業界トップ(店舗数シェアで約50%)のセブン・イレブンをミニストップやマーキュリー・セルフサービスが追うという構図になっている。
フィリピンのセブン・イレブンは、台湾系のプレジデント・チェーン・ストア(ラブアン)ホールディングスが56.59%を所有(2012年3月末現在)するフィリピン・セブン社(PSC)によって運営されている。PSCの2012年6月末のフィリピンでのセブン・イレブン総店舗数は746店に達し、2前年同月末の600店からは146店、率にして24%増加した。その後も増加を続け、現在の店舗数は786店に達している。そして、2012年年末までに800店、2013年末までには1000店とする方針を表明している。
一方、フィリピンのミニストップは、ロビンソンズ・コンビニエンス・ストアーズ(RCSI)によってフランチャイズ展開されている。RCSIは、三菱商事、ミニストップ株式会社、ゴコンウェイ・ファミリー傘下のロビンソン・リテイル・グループとの共同事業である。9月末時点でマニラ首都圏中心に327店(2012年9月末)を展開している。
両者ともに、これまではマニラ首都圏中心の店舗展開であったが、セブでの店舗展開に着手している。セブンイレブンが7月31日にセブに初出店、ミニストップも10月24日に初出店している。
なお、PSCのアニュアル・レポートによると、2011年末のフィリピンのブランドコンビニエンス・ストアの総店舗数は前年末比17%増の1,384店。シェアはセブンイレブン50%、ミニストップ23%、マーキュリー25%、サンミゲル・フードショップ2%となっている(12年11月5日の株式会社ファミリーマートのニュースリリースなどより)。
2010年末店舗数 | 2011年末店舗数 | 2011年末シェア | |
セブン・イレブン | 551 | 689 | 50% |
マーキュリー・セルフサービス | 287 | 345 | 25% |
ミニストップ | 336 | 325 | 23% |
サンミゲル・フードショップ | 13 | 25 | 2% |
合計 | 1,187 | 1,384 | 100% |