世界最高の財務大臣にフィリピン・プリシマ長官

2012/10/13

ユーロマネー誌2012年表彰、東京で授与式
テタンコ中央銀行総裁も連続で最優秀との評価
  

 国際的な金融専門誌であるユーロマネー誌が、2012年世界最優秀財務大臣としてフィリピン財務省のシーザー・プリシマ長官を選出した。


 ユーロマネー誌は10月11日に、世界銀行/国際通貨基金総会で東京を訪問中のプリシマ長官に対し、「ファイナンス・ミニスター・オブ・ザ・イヤ―2012」賞を授与した。

 ユーロマネー誌は、プリシマ長官の慎重かつ上首尾の財政運営を高く評価している。特に、満期までの期間が短い国債を長期国債と交換することで財政基盤を安定化させたことなどを成功例として上げている。
 
 そして、「プリシマ長官は、良き統治が良き経済をもたらすという信念を具現化すべくアキノ大統領と密接に連携してきた。いかなる新税も導入しないで、脱税防止のための妥協のない戦略や法人からの税収最大化を推進してきた。このプリシマ長官の舵取りにより、世界景気鈍化の中でフィリピンは安定成長を続けられている」と称賛した。

 この受賞に際して、プリシマ長官は「ユーロマネー誌に感謝する。この受賞は、アキノ大統領のリーダーシップのもとで、フィリピン経済が大きく好転したことの結果である、アキノ大統領の良き統治への不変のコミットメントがフィリピン経済を大きく飛躍させた。そして、財務省、内国歳入庁、予算管理省などの関係機関のリーダーやスタッフの骨惜しみしない努力が今回の受賞につながった」とコメントした。

 ユーロマネー誌は、2012年世界最優秀中央銀行総裁として、バンク・オブ・カナダのマーク・カーニーを選出した。

 なお、既報の通り、米系の有力金融誌「グローバル・ファイナンス」は、8月末発表の「中央銀行総裁レポート」2012年版(50カ国・地域対象)において、フィリピン中央銀行(BSP)のテタンコ総裁ら6カ国・地域の中央銀行総裁を最上位のA (非常に優れた成果)とランクした。テタンコ総裁は、昨年に引き続き2年連続でA、すなわち、世界最優秀中央銀行の一人として評価されている。

 このように、フィリピンは、今年の財務大臣、中央銀行総裁比較において、双方ともに世界最優秀と評価されている。現在の好調なフィリピン経済を反映しているといえよう(12年10月12日のユーロマネー誌オンラインニュースなどより)。