富士フィルム、フィリピンに販売会社も設立
2012/09/20
ASEAN主要6カ国で直販体制確立
来年6月には高性能レンズ生産開始
富士フイルムは9月20日に、「経済成長が続くフィリピンでの事業拡大を図るため、現地法人フジフィルム・フィリピンを設立し、9月20日から営業開始する」と発表した。
フジフィルム・フィリピンの所在地はマニラ首都圏マカティ市、 資本金は 3億3,000万円、代表者は佐々木隆氏、当初の従業員数は10名。事業内容はイメージング、メディカル、グラフィック各製品の輸入・販売・技術サービスである。
ASEAN主要国の一つであるフィリピンは、2006年以降の経済成長率が年平均5%と堅調な発展を遂げている。今後も、労働人口や中間所得層の増加により、継続的な経済成長が見込まれる市場として注目されている。
富士フィルムは、これまでフィリピンの販売代理店を通じて、デジタルカメラや写真印画紙などのイメージング製品、画像診断機器・X線フィルムなどのメディカル製品、オフセット印刷用刷版プレートなどグラフィック製品の事業基盤を築いてきた。
今回の現地法人設立に伴い、より市場に密着したマーケティングおよびセールス活動を迅速に展開する直販体制を整え、フィリピン市場における販売戦略をダイナミックに推進していく。また、テクニカルサポートの強化を図り、さらなる顧客満足度の向上にも取り組んでいく。
富士フイルムは、今回のフジフイルム・フィリピン設立によりASEAN主要6か国(フィリピン、インドネシア、マレーシア、シンガポール、タイ、ベトナム)のすべてで直販体制を整え、目覚しい経済発展が続く東南アジア地域における事業基盤のさらなる強化を目指す。
また、マーケティング・販売・サービスネットワークを強力に展開することで、「多様化する市場ニーズに即応したソリューションの提供」を推進し、各国における産業・文化のさらなる発展に貢献して行く方針である。
なお、富士フイルムは今年8月21日に、フィリピンに光学レンズの加工・組立の新工場を建設すると発表した。具体的には、デジタルカメラやプロジェクター、監視カメラに用いる高性能レンズの生産能力を増強するため、フィリピンに現地法人「フジフィルム・オプティクス・フィリピン」を設立、そして、光学レンズの加工・組立を行う新工場を建設する。ラグナ州カーメルレイ工業団地に建設される新工場は、2012年10月に着工、2013年6月に稼動の予定である。
光学レンズは、民生用から業務用まで幅広い製品で使用され、今後も世界的に成長が見込まれている分野である。現在、デジタルカメラ・監視カメラなどの各種カメラやプロジェクターなどの高性能化、経済成長が著しい新興国などでの普及率向上に伴い、光学性能が優れたレンズの需要が伸長しており、今後もその傾向は継続していくと予想されている。
このようななか、電力などのインフラが整備されており、若い人材も豊富であるフィリピンに新工場を建設し、光学レンズの生産能力の増強を図ることを決定したのである。
すなわち、富士フィルムは、フィリピンにおいて、製造と販売・技術サポートという双方の自社事業基盤を構築する。そして、工場建設完工に先行して、販売・技術サポート分野での営業が開始されたのである(12年9月20日の富士フイルム株式会社ニュースリリースなどより)。