オフィス賃貸料、第2四半期も上昇続く

2012/09/18

首都圏高級物件は840~950ペソ/平米に
今後1年間で6%上昇と予想:コリアーズ

 世界中のマーケットにおいて総合的な不動産の コンサルティング業務を行っているコリアーズ・インターナショナル(コリアーズ)が、フィリピン不動産市場概観2012年第2四半期(12年4月~6月)動向及び今後の見通しをウェブサイトに掲載した。


 2012年第2四半期に目立った賃貸取引は、ネット・リマビル(タギッグ市)の1万300平米(入居企業フィラムライフ)、グロリエッタ2ビル(マカティ市)の1万1,300平米(入居企業ADP)、SLCビル(マカティ市)の1万7,300平米(入居企業ストリーム・グローバル・サービシズ)。

 オフィス月間賃貸料は値上がりしている。主因は、オフィススペースの選択肢に限りがあるため家主が価格決定で強気に出たこと。マカティ中央ビジネス区(CBD)のプレミアム(最高級)物件で前期比2.5%増の平均895ペソ/㎡、Aクラス物件は同3.9%増の平均725ペソ/㎡、Bクラス物件は同3.1%増の平均498ペソ/㎡。プレミアム物件は1年間で6.1%上昇すると予想される。一方、フォート・ボニファシオではコールセンター等BPO(アウトソーシング)ビルの根強い需要が賃貸料を平均約750ペソ/㎡に押し上げた。

 マカティCBDにおける12年第2四半期のオフィス空室率(全クラス)は3.99%と前期を下回ったが、スエリグ・ビル(Zuellig)が次四半期に全面稼働となることで約4.0%に上昇する見通し。プレミアムのオフィス需要は依然として高い。コリアーズは1年後の13年第2四半期には全クラスの空室率を3.77%と予想している(12年9月18日のコリアーズ・フィリピンズ発表より)。

マカティCBDオフィス平米当たり月間賃貸料(単位:ペソ/ ㎡)

物件タイプ 12年Q2 12年Q1 対前期伸び率 13年Q2(予) 年間変化率予想
プレミアム 840~950 825~922 2.5% 865~1,035 6.1%
Aクラス 550~900 500~895 3.9% 580~930 4.1%
Bクラス 465~530 455~510 3.1% 480~550 3.5%


マカティCBDオフィス空室率
物件タイプ 12年Q2 12年Q1 13年Q2(予)
プレミアム 2.12% 3.38% -
Aクラス 3.46% 3.63% -
Bクラス以下 4.47% 4.83% -
全クラス 3.99% 4.42% 3.77%


オフィス新規供給予想(単位:㎡)
地区 11年末総面積 12年供給 13年供給 14年供給 合計
マカティCBD 2,699,696 57,353 87,837 - 2,844,886
オルティガス 1,145,350 - 69,720 - 1,215,070
フォート・ボニファシオ 592,272 173,839 263,923 114,147 1,144,181
イーストウッド 292,819 35,765 - - 328,584
アラバン 265,552 - 33,560 10,400 309,512
その他 766,369 199,803 146,179 115,284 1,227,635
合計 5,762,058 466,760 601,219 239,831 7,069,868
(その他:マニラ、パサイ、マンダルーヨン、ケソン市)

マカティCBDオフィス資産価値(利用可能エリア)(単位:万ペソ/㎡ )
物件タイプ 12年Q2 12年Q1 対前期伸び率 13年Q2(予想) 年間変化率予想
プレミアム 11.6~12.6万 10.5~12.5万 5.3% 12.1~13.3万 5.0%
Aクラス 7.0~9.7万 7.0~9.5万 0.9% 7.3~10.1万 4.2%
Bクラス 4.9~6.5万 4.8万~6.3万 1.8% 4.9~6.6万 3.6%

首都圏主要地区土地価格推移(単位:万ペソ/ ㎡)
地区 12年Q2 12年Q1 対前期伸び率 13年Q2(予) 年間変化率予想
マカティCBD 27.2~29.7万 27.2~29.7万 0.2% 29.0~32.7万 8.5%
オルティガスセンター 9.8~16.4万 9.8~16.4万 0.5% 10.4~17.5万 6.1%
フォート・ボニファシオ 15.5~23.0万 15.5~22.5万 1.4% 21.2~27.5万 15.1%
(上記の表は全てコリアーズ・インターナショナル資料より作成、予想も同社によるもの)