フィリピン・エプソン、5年内での売上倍増目指す

2012/09/09

大容量インクタンク搭載プリンター新製品投入
 

セイコーエプソン(エプソン)は様々な市場の顧客の要求に対応した商品を提供している。

 その例として、最近では新興成長市場向けのインクジェットプリンターの開発に特に注力している。新興成長市場のニーズは欧米を中心とした市場のニーズとは異なる点が数多くある。
 新興成長市場の顧客は、機能よりもコストパフォーマンスと耐久性を重視する。そのため、東南アジアや中国、南米といった地域では、これらの市場に特化したインクジェット・プリンターやビジネスモデルを設計し、提供している。価格を重視する顧客向けの大容量インクタンクを備えたインクジェット・プリンターや、ビジネスユーザー向けのモノクロプリンターがその例である。

 エプソンのフィリピンにおける販売・サービス拠点はエプソン・フィリピンズ(EPC)である。EPCは、このほど、新興国市場向けの製品の一つである大容量インクタンク搭載インクジェット・プリンター新製品5機種を発表した。
 今回発表されたのはベーシックタイプ(6ipm=1分間に6枚入出力可能)のL110(単機能プリンター)とL210(複合機)、アドバンスタイプ(9ipm=1分間に6枚入出力可能)のL300(単機能プリンター)、L350(複合機)、L355(WiFi対応複合機)である。
 販売価格はL110が5,795ペソ、L210が7.795ペソ、L300が7,495ペソ、L350が9,295ペソ、L355は追って発表される。

  9月9日付けフィリピン・スター電子版などによると、エプソン・フィリピンズ(EPC)は新製品発表時に、「EPCのプリンター、プロジェクターともに、過去3年間、2桁増収が続いてきた。今回のような家庭、法人双方から歓迎される割安かつ高性能な製品投入などにより、今後5年内で売上高倍増を目指す」と表明したとのことである。

 なお、大容量インクタンクを備えたインクジェット・プリンターは、インドネシアでもビジネス用途として注目を集め、好調に販売を伸ばしてきている。そして前モデルのL100やL200 の発売から1年あまりで、インドネシア市場でのエプソンのインクジェット・プリンターの販売数量比率は、大容量インクタンクシステム搭載プリンターがおよそ半分に達するほどになった。この商品は、フィリピン、タイ、インド、中国などのアジア諸国にも販売エリアが拡大し、さらに南米や東欧、中近東諸国へと全世界で販売されるようになった。

 この商品の成功により、エプソンのエマージング市場における高収益ビジネスモデル転換に加速がついたという経緯がある。