富士電機技術による地熱発電所建設、順調に進展

2012/09/01

 5年ぶりの地熱プロジェクト、アキノ政権下での第1号

 今年4月27日に起工式が行われたバタンガス州サントトーマスでのマイバララ地熱発電所(20メガワット)の建設が順調に進展している。


 7月10日には、地中の蒸気を発電プラントに供給する第3号ボーリング孔(ボアホール)の掘削が開始され、8月5日には2150メートルの深度に到達した。テストの結果、このボアホールに問題がないことが立証され、地中からの蒸気供給システムが確立されたことになる。これは、予定を14日上回るピッチである。

 マイバララ地熱発電所は、2007年に稼働した北部ネグロス地熱発電所(49メガワット)以来5年ぶり、アキノ政権下で初の地熱発電所プロジェクトである。完工・発電開始は2013年下半期と予定されている。
 
 事業主体は、マイバララ・ジオサーマル社(MGI社)。MGI社は、ペトロ・グリーンエナジー社(ペトロ・エナジー・リソースの完全子会社)によって65%、トランスアジア・オイル&エナジー・デベロップメント社(TA社)によって25%、政府系PONCリニューワブル社によって10%保有されている地熱発電推進企業である。

 既にMGI社とTA社は20年間の電力売買契約(ESA)を締結している。この契約によると、TA社は、マイバララ地熱発電所の発電電力全量を20年間に渡って購入する。購入価格などの条件は5年ごとに見直される。

 マイバララ地熱発電所は、地熱蒸気フィールドと発電所からなる一貫地熱発電施設である。設計・調達・建設(EPA)業務はユーチェンコ・グループ(YGC)子会社の建設会社であるEEIが担当する。建設資金として、リサール商業銀行(RCBC)とバンク・オブ・ザ・フィリピンアイランズ(BPI)からの24億ペソ融資が決定している。
 
 発電装置・機器類は、世界的な地熱発電プラント関連企業である富士電機から調達される。すなわち、富士電機の技術による地熱発電所といえる(12年8月30日のフィリピン証券取引所回覧6368-2012号などより)。