電子部品エノモト、東南アジア事業をフィリピンに集約
2012/07/27
シンガポールでのリードフレーム等の生産を移管
エノモト(本社:山梨県上野原市)は、7月27日開催の取締役会において、シンガポールの子会社であるエノモト・プレシジョン・エンジニアリング・シンガポール(EPES)の生産終了を決議した。
EPESは、東南アジアにおける電子部品の需要を見込んで、半導体リードフレーム、コネクタ用プレス部品などの生産活動を行ってきた。しかし、シンガポールにおける経営環境の変化及び国際競争の激化から受注量並びに受注価格の悪化が続いている。今後についても業績の早急な回復が困難であると見込まれることから、エノモトはEPESの生産終了を決議するに至った。
今後、エノモトの東南アジアにおける事業活動は、フィリピンのエノモト・フィリピン・マニュファクチャリング(EPMI)に集約する。
1995年9月設立のエノモト・フィリピン・マニュファクチャリング(EPMI)は、カビテ州ジェネラル・トリアスのPEZAゲートウエイ・ビジネスパークに立地している。資本金は2億9,640万ペソ、従業員数は約260名。業務内容はコネクタ用プレス部品、リードフレームモールド成形品、インサート成形品及び金型用部品の製造・販売などである。
また、セブでも、EMPIの金型工場として設立されたエノモト・フィリピン・マニュファクチャリング・セブ(EPMS)が、約35名体制で金型製造・販売、金型用部品加工・販売 を行っている。立地場所はラプラプ市セブ・ライト・インダストリアルパークである。
なお、主力製品のリードフレームの生産に鍍金(メッキ)が不可欠であるし鍍金の品質は非常に重要である、。例えば、LEDの輝度は形状と鍍金の成分、そして素材の成分によって左右される。空気中のわずかな成分の違いで、同じ鍍金を使っても輝度や耐久性に違いが出てしまう。
海外の鍍金工場で日本と同じ品質を保てるところは皆無といってもいい状況であったし、一度結果を出した鍍金を同じクオリティで保つという品質管理の徹底がされていないのが普通である。そういったなかで、現在フィリピンEMPIでの鍍金加工が可能となっている(12年7月27日の株式会社エノモトのニュースリリースなどより)。