比セブン・イレブン好調続く、上半期38%増益
2012/07/23
6月末の店舗数は746店、1年間で146店増加
来年中に1千店体制、株価3年間で24倍に上昇
フィリピンのコンビニエンス・ストア業界が離陸期入りし、高成長を続けている。そして、業界トップ(店舗数シェアで約50%)のセブン・イレブンをミニストップやマーキュリー・セルフサービスが追うという構図になっている。
フィリピンのセブン・イレブンは、台湾系のプレジデント・チェーン・ストア(ラブアン)ホールディングスが56.59%を所有(2012年3月末現在)するフィリピン・セブン社(PSC)によって運営されている。PSCは1982年11月に設立され、同年12月に米国テキサス州ダラスのサウスランド社(その後セブン-イレブン社に社名変更)からフィリピンでのセブン・イレブン運営ライセンスを獲得。1998年2月4日に、フィリピン証券取引所(PSE)に上場した。
このPSCが2012年度上半期(1月~6月)報告書を公表した。それによると、上半期のPSC総収入は前年同期比36%増の63億2,559万ペソ、商品売上高は同36%増の57億2,183万ペソ、純利益は同38%増の1億6,426万ペソと大幅増収増益決算となった。
2012年上半期は、天候に恵まれたこと、新規出店効果、商品構成見直し、効率化、公共料金支払いやクレジットカード取り扱い拡大などによる一層の顧客利便性向上などにより好決算となった。
PSCは、2012年上半期中に59店をオープン、2店を閉鎖した。この結果、2012年6月末のフィリピンでのセブン・イレブン総店舗数は746店に達し、2011年末の689店から57店の増加となった。前年同月末の600店からは146店、率にして24%増加した。746店舗のうち、直営店が254店舗、フランチャイズ店が492店舗である。
フィリピンでのセブン・イレブン第1号店は、1984年2月にケソン市エドサ通り沿いにオープンした。当初の出店ピッチは鈍かったが、2000年の小売業界規制緩和を契機に出店ピッチが速まった。そして、2006年末287店、2007年末311店、2008年末368店、2009年末447店、2010年末551店、2011年末689店、2012年3月末714店と順調に拡大している。PSCは2012年年末までに800店、2013年末までには1000店とする方針を表明している。
PSCの2012年の年次株主総会は7月24日に開催される。そして、授権資本額の50%増額、株式配当実施などが承認される見込みである。
フィリピンのコンビニ業界やPSCの成長期入りとともに、フィリピン証券取引所(PSE)におけるPSCの株価が大幅上昇している。PSCの商いは薄く、その株価は2009年第1四半期から第3四半期までは2.50ペソに張り付いていた。ところが、2009年末に7.00ペソへ、2010年末は14.32ペソ、2011年末に25.90ペソまで上昇した。2012年に入ると、株価上昇に弾みがつき3月中旬には一時60ペソまで上昇した。一時40ペソ台まで調整した後再上昇、7月23日の終値は60ペソとなっている。すなわち、2009年第3四半期までの2.50ペソからは約3年間で約24倍まで急騰したことになる。
なお、PSCアニュアル・レポートによると、2011年末のフィリピンのブランドコンビニエンス・ストアの総店舗数は前年末比17%増の1,384店。シェアはセブンイレブン50%、ミニストップ23%、マーキュリー25%、サンミゲル・フードショップ2%となっている(フィリピン・セブンの2012年上半期報告書などより)。
2010年末店舗数 | 2011年末店舗数 | 2011年末シェア | |
セブン・イレブン | 551 | 689 | 50% |
マーキュリー・セルフサービス | 287 | 345 | 25% |
ミニストップ | 336 | 325 | 23% |
サンミゲル・フードショップ | 13 | 25 | 2% |
合計 | 1,187 | 1,384 | 100% |