5月の製造業活動低調、前月比鈍化

2012/07/18

生産数量3.1%増、販売数量0.5%減少

 フィリピン国家統計局(NSO)は7月17日、主要製造業701社からの聞き取り調査による2012年5月の生産・販売動向の速報値を発表した(今回発表数字は回答数576社で回答率82.2%時点での集計値)。
  
 産業月次調査の速報値によると、12年5月の生産金額指数(2000年=100、以下同様)は前年同月比4.7%上昇となった。主要20部門のうち、特に成長に寄与した部門は、輸送機器(前年同月比128.8%増)、靴・衣料品(121.8%増)など。

 生産数量指数は前年同月比3.1%上昇。特に成長に寄与した部門は、靴・衣料品(前年同月比7124.7%増)、輸送機器(118.2%増)、家具・備品(103.4%増)など。

 5月の純販売金額指数は前年同月比1.0%上昇。前月から大幅に鈍化。非金属鉱物類(前年同月比4.5%増)、化学製品類(3.2%増)、食品製造部門(1.2%増)などの鈍化が影響した。一方、成長に寄与した部門で目立ったものは、靴・衣料品(前年同月比116.5%増)。

 平均設備稼働率は83.5%で前月(改定値)から0.1%ポイント、前年同月(83.0%)から0.5%ポイント上昇した。稼動率90%以上の企業の割合は19.1%、稼働率が70%-89%の企業の割合は58.2%で全体の半分強を占めた。50%以下の企業の割合は3.9%であった。部門別では、食品製造部門86.8%、石油製品部門86.8%、卑金属部門85.6%、電気機械部門84.6%、機械部門84.6%など。

 なお、この聞き取り調査は対象企業数が少なく回答企業数が月によって異ったり、回答提出が遅れるという問題点がある。さらに、過去の数字が大幅に改定されるケースがあることに留意する必要がある。また、生産数量と設備稼働率の整合性という観点からも疑問が残る。今回発表の5月分も次回6月分発表時にかなり改定されているはずである(12年7月17日のフィリピン国家統計局発表より)。

       製造業活動状況
全製造業 12年4月 12年5月
 生産指数   (2000年=100) 対前年同月成長率%
  金額 4.9 4.7
  数量 3.3 3.1
 純販売指数  (2000年=100)
  金額 6.4 1.0
  数量 4.8 -0.5
 出荷価格指数(2000年=100) 1.5 1.5
注:2012年4月の数値は全て改定値

      設備稼働率分布状況 (%) 

設備稼働率 12年5月
50%以下 3.9
50%- 59% 6.8
60% - 69% 12.0
70% - 79% 18.6
80% - 89% 39.6
90% - 100% 19.1


         製造業設備平均稼働率推移(単位:%)
11年 12年
5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月
稼働率 83.0 83.1 83.2 83.2 83.2 82.7 83.2 83.3 83.0 83.4 83.6 83.4 83.5
 (上記の表の出所:全てフィリピン国家統計局資料より作成)