NTT2社、PLDT20%強を継続保有(ADR含む)
2012/06/17
PLDT株主総会でNTT系2名の取締役を再任
NTTドコモ木村節哉氏とNTTコム尾崎英明氏
6月14日に、フィリピン長距離電話(PLDT)の2012年年次株主総会が開催され、13名の取締役(うち3名が独立系)が選出された。
この株主総会においては、マニュエル・パンギリナン氏、ナポレオン・ナサレノ氏などのほか、主要株主のNTTドコモから木村 節哉氏、同NTTミュニケーションズから尾崎 英明氏が再任された。ジョリビー・フーズのトニー・タン・カクティオン会長も取締役に再任された。
株主総会後の取締役会において、役員、各委員会のメンバーが選出された。そしてパンギリナン会長、ナサレノ社長兼CEOという体制継続が決定した。木村 節哉氏は統治・任命委員会、技術戦略委員会、報酬委員会のメンバー、監査委員会のアドバイザーにも再任された。
PLDT発表の2012年3月末時点の株主名簿によれば、PLDT普通株式保有比率は、NTTドコモ10.55%、NTTコム5.85%、合計16.4%となっている。
ただし、NTTドコモPLDTの米国預託証券(ADR)も保有している。このADRを通じての保有権を合算したPLDT普通株式実質保有比率(現時点での議決権比率)はNTTドコモが16.61%、NTTコムが5.77%となり、2社合計で20.09%となる。
なお、PLDTは3月22日の特別株主総会において、優先株をこれまでの無議決権優先株式(額面10ペソ)のみから、議決権優先株(額面1ペソ、発行枠1億5000万株)を創設し2種類とすることが承認された。この議決権付き優先株はフィリピン人専用であり、1億5,000万株が発行されれば、NTTグループのPLDT議決権比率は大幅に低下することになる(12年6月15日のフィリピン証券取引所回覧4609-2012号などより)。