東海理化、ミンダナオの食生活改善を継続支援

2012/06/12

社員食堂で慈善健康メニュー、日本の肥満対策にも
JICA中部のパネルトークでNPOとの共同事業紹介

 独立行政法人国際協力機構中部国際センター(JICA中部)は、6月16日(土曜)13時30分から16時30分まで、なごや地球ひろばにおいて、パネルトーク『つながる!日本とフィリピンの健康づくり ~NGOと企業による国際支援~』 を開催する。



 このパネルトークにおいては、「伝統的な食生活の崩壊によって生じる新たな健康問題」の解決に挑むフィリピンの人々と、その活動を支援すると株式会社 東海理化電機製作所(東海理化、(本社:愛知県丹羽郡大口町)と、NPOのアジア保健研修所(AHI)の取り組みについて紹介する
 
 パネリストは坂本真理子氏(愛知医科大学看護学部教授)、福井陽子氏(AHI)、水野二一氏(東海理化)、定員は60名(申込先着順)、参加費は無料、問合せ先はJICA中部なごや地球ひろば(担当:奥田氏)、電話番号は052-533-0121(18時まで)、Eメール:jicacbic-annainin1@jica.go.jpである。

 なお、有力自動車部品メーカーである東海理化は2009年8月から、社員食堂でチャリティー・ヘルシーメニューを提供し、利用者が支払う代金の一部をフィリピン・ミンダナオ島の子ども達の食生活改善に取り組むNGOの事業に役立てる活動を展開している。

 この目的は、 「日本での肥満、生活習慣病対策」と、「フィリピンでの食生活改善」をつなぎ、両国の健康問題の解決に取り組む「国際貢献事業」に協力することである。

 具体的には、 東海理化の本社ならびに各工場の食堂で、それぞれ1~2 種類のヘルシーメニューを通常価格に寄付額10円を加えた価格で提供する。集まった寄付金はNGO「アジア保健研修所(AHI)」を通じて、現地で開催する母親を対象とした栄養教室の運営資金に充てる。
 当初見込みでは、全社で毎日200 食のチャリティ・ヘルシーメニューが喫食されると、現地で1 年間に80 人の栄養指導者が養成され、4,000 人の母親、10,000 人の子ども達への栄養指導が実施できると試算されている。

 一方、アジア保健研修所(AHI)は愛知県日進市を拠点に約30年間にわたりアジアの草の根の人々の健康を守る活動を続ける団体である。
  フィリピン、ミンダナオ島の農村地帯では食の欧米化が進む中、栄養に関する知識がないために手軽なスナック菓子やコーラで空腹を満たす子ども達には、将来、糖尿病などの慢性疾患が心配される。世界保健機関(WHO)の予測では、20 年後の途上国の糖尿病患者は今の2倍に達すると言われている。
 AHIは現地のNGO(ダバオ医科大付属ヘルスケア研修所)などと協働して、村々に栄養指導者を養成して母親達に正しい食生活の大切さ、身近にある栄養バランスの良い食事のとり方を教え、地域全体の食生活改善に取り組んでいる。

 また、東海理化とAHIは、昨年9月から、ミンダナオ北ダバオ州のニューコレリア町で「ヘルシーライフ・プロジェクト」を展開している。今回のパネルトークは、このプロジェクト中心に展開される予定である(JICA中部イベント情報、東海理化やAHIのウエブサイトなどより)。