フィリピン株価、今年もアジア最高の上昇ペース
2012/05/28
21日現在のリターン17.1%に、地域全体は0.4%
2位タイの14.9%、最下位は日本のマイナス2.3%
国際的な資産運用のソリューションプロバイダー であるラッセル・インベストメント(米国ワシントン州)は、5月25日に、アジア諸国・地域の株式市場のパフォーマンスを示すラッセル・アジア太平洋インデックスの詳細を発表した。
その発表によると、ラッセル・アジア太平洋インデックスの2012年年初から5月21日までのリターン(配当などを加味した上昇率)は0.4%。同期間のラッセル先進国ヨーロッパ・インデックスのリターンはマイナス0.7%であった。
同期間のラッセル・アジア太平洋インデックスにおいて、フィリピンのリターンが17.1%で首位であった。以下、2位がタイの14.9%、3位がシンガポールの10.7%、4位がニュージーランドの6.0%と続く。
一方、最下位は日本のマイナス2.3%。続いてオーストラリアのマイナス1.3%、インドネシアのマイナス0.6%、韓国のマイナス0.5%などが低リターン市場となっている。
そのほかの対象となっているアジア各国のリターンは、香港 4.3%、インド3.1%、マレーシア2.0%、中国1.1%となっている。
ラッセル・インベストメント社でアジアを本拠に活動しているリサーチ・アナリストのサラ・リエン氏は、「投資家は、米国、ヨーロッパおよび中国市場での供給過剰問題などの影響をあまり受けないような市場を探している。インドネシアなどは、この問題などのためにマイナスのリターンとなっている。各国の株式市場の特質を慎重に考慮すべきである」とコメントしている。
なお、フィリピンの代表的な株価指数であるフィリピン証券取引所株価指数(PSEi)は 2009年63.0%、2010年の37.6%、2011年4.1%と3年連続上昇している。2011年の4.1%はその前の2年間に比べ急鈍化したかたちとなったが、世界的な株価下落のなかで逆行高、世界主要国市場では米国に次ぐ第2位、アジアではインドネシアの3.2%上昇を上回る最高の上昇率であった。
2012年に入ってからも上昇基調を辿っており、最高値更新を続け、5月3日には終値ベースでの史上最高値5,300.41ポイントを記録している。その後は、ギリシャ問題によりやや伸び悩んでいるが、上記のように、アジア主要国市場の中では最高の上昇ピッチとなっている(12年5月25日のラッセル・インベストメント発表などより)。