日立電線、OAローラ生産をフィリピンへ集約
2012/05/07
比ヒタチ・ケーブル(HCP)、工業用ゴム事業の中核に
日立電線は、100%子会社である日立電線ラバーテクノロジー(本社:静岡県駿東郡)が手掛ける工業用ゴム全事業を、東北ゴム(本社:宮城県仙台市)及びヒタチ・ケーブル・フィリピン(HCP、本社:フィリピンバタンガス州)に移管し、工業用ゴム事業を再編する。
日立電線ラバーテクノロジーの事業のうち、製造業務はHCP に、開発業務を東北ゴムに移管し、工業用ゴム事業の国内拠点集約と生産の海外シフトによるコスト削減を実行する。また、工業用ゴム製品の開発リソースを東北ゴム1 社に集約し、開発機能強化に取り組む。なお、日立電線ラバーテクノロジーは2013年3月末をもって全事業を移管した後、解散する予定である。
日立電線グループは、工業用ゴム事業として、OA ローラ(事務機現像系OA ローラ、事務機給紙系OA ローラ及び金融系OA ローラ)やエスカレータ用ハンドレール、工業用ゴムホース及びゴムシート等を手掛けている。 現在、OA ローラは国内では日立電線ラバーテクノロジーが開発・製造を、海外ではHCP が製造を行っており、エスカレータ用ハンドレール、工業用ゴムホース及びゴムシート等は東北ゴムが開発・製造を行っている。
OA ローラは、国内では複写機やプリンター等のOA 機器の需要停滞により現像系を中心に厳しい事業環境が続いている。このため、日立電線ラバーテクノロジーでは、新規顧客の開拓や原価低減活動に取り組んできたが、業績の改善が難しい状況である。
一方、海外では新興国におけるコンシューマ及びオフィスのOA 機器向けで需要増加が見込まれている。また、エスカレータ用ハンドレールでは、現在東北ゴムは国内シェアトップであり、海外でも新興国の建設需要により成長が期待されている。
日立電線グループでは、今回の再編により国内事業の採算性を向上させることはもとより、新興国を中心とした需要の拡大を確実に捉えられる体制を整え、工業用ゴム事業の持続的成長を図る方針である。
なお、1997年9月設立のヒタチ・ケーブル・フィリピン(HCP)はバタンガス州に立地、 OA ローラ等の工業用ゴム製品の製造及び販売を行っている。現行資本金は792万米ドル、日立電線が100%出資している(12年5月7日の日立電線ニュースリリースより)。