現在のマカティ高級物件は平均850ペソ/㎡

　世界中のマーケットにおいて総合的な不動産の コンサルティング業務を行っているコリアーズ・インターナショナル(コリアーズ）が、フィリピン不動産市場概観2011年第4四半期（11年10～12月期）動向及び今後の見通しをウェブサイトに掲載した。

　それによると、マカティ中央ビジネス区（CBD）のオフィス開発は依然限定されており、結果としてオフィス賃貸料の対前期比伸び率が増加している。

　　2011年第4四半期のオフィス月間賃貸料は、マカティCBDのプレミアム（最高級）物件で前期比1.1%増の平均850ペソ/㎡、Aクラス物件は1.7%増の平均696ペソ/㎡、Bクラス物件は2.4%増の平均481ペソ/㎡。Bクラス物件は1年後の12年第4四半期には平均522ペソ/㎡と前年同期に比べ8.8%上昇する見通し。プレミアム物件は1年間で4.8%上昇する見込み。

　マカティCBDにおける11年第4四半期のオフィス空室率（全クラス）は4.08%と前期（3.84%）を僅かに上回った。サン・ライフがエンタープライズセンター（プレミアムクラス）からボニファシオ・グローバルシティの自社所有ビルに移転したのが主因。約1万㎡のオフィススペースが空き、プレミアムクラスの空室率は5.52%と前期（1.90%）から大幅に増えた。一方、A、Bクラスのオフィス需要は依然として高い。コリアーズは1年後の12年第4四半期には全クラスの空室率を3.48%と予想している。

　第4四半期の首都圏主要地区土地価格は、マカティCBDで1平米当たり26万6,177ペソ～28万9,521ペソ（平均27万8,000ペソ）、1年後の12年第4四半期には4.0%上昇する見通し。一方、ボニファシオ・グローバルシティーで同15万ペソ～22万730ペソ（平均18万5,000ペソ）、1年後には12.0%上昇する見通し。オルティガスセンターで同9万6,504ペソ～16万1,196ペソ（平均12万9,000ペソ）、1年後には4.0%上昇する見通し。

首都圏主要地区土地価格推移（単位：ペソ/ ㎡）

地区	11年Q3	11年Q4	対前期伸び率	12年Q4（予）	年間変化率予想
マカティCBD	26.3～28.6万	26.6～29.0万	1.35%	27.7～30.1万	4.00%
オルティガスセンター	9.5～15.8万	9.7～16.1万	1.98%	10.0～16.8万	4.00%
フォート・ボニファシオ	14.5～21.0万	15.0～22.1万	4.40%	16.2～25.4万	12.00%

マカティCBDオフィス平米当たり月間賃貸料（単位：ペソ/ ㎡）

物件タイプ	11年Q3	11年Q4	対前期伸び率	12年Q4（予）	年間変化率予想
プレミアム	776～905	788～912	1.1%	832～950	4.8%
Aクラス	488～881	497～895	1.7%	535～947	6.3%
Bクラス	445～560	451～510	2.4%	501～543	8.8%

マカティCBDオフィス空室率

物件タイプ	11年Q3	11年Q4	12年Q4（予）
プレミアム	1.90%	5.52%	-
Aクラス	4.66%	4.15%	-
Bクラス以下	3.93%	3.81%	-
全クラス	3.84%	4.08%	3.48%

オフィス新規供給予想（単位：㎡）

地区	2010年末総面積	2011年供給	2012年供給	2013年供給
マカティCBD	2,699,696	-	80,353	115,082
オルティガス	1,126,018	19,332	37,930	69,720
フォート・ボニファシオ	485,693	112,434	249,944	284,305
イーストウッド	252,979	42,330	38,000	-
アラバン	234,305	32,824	-	33,560
その他	685,362	81,007	142,910	23,000
合計	5,484,053	287,927	549,137	525,667

（その他：マニラ、パサイ、マンダルーヨン、ケソン市）

マカティCBDオフィス資産価値(利用可能エリア）（単位：ペソ/㎡ ）

物件タイプ	11年Q3	11年Q4	対前期伸び率	12年Q4(予想）	年間変化率予想
プレミアム	9.7～11.4万	10.0～11.7万	3.50%	11.7～13.2万	14.20%
Aクラス	6.9～9.2万	7.0～9.3万	1.40%	7.2～10.0万	4.90%
Bクラス	4.7～6.3万	4.7万～6.3万	0.90%	4.9～6.6万	4.10%

（上記の表は全てコリアーズ・インターナショナル資料より作成、予想も同社によるもの）