日本フランチャイズチェーン協会、フィリピン事情紹介

2012/01/24

海外フランチャイズ情報最新号メインニュース

10年で加盟店4倍、売上3.1倍、今年も20%成長か

  社団法人日本フランチャイズチェーン協会が、「海外フランチャイズ情報」2011年12月号において、メインニュースとして「フィリピンのフランチャイズ状況」を掲載している。



 それによると、フィリピンのフランチャイズ産業は高成長を続けている。2010年末時点のフランチャイザー(本部)数は、10年前の200年末に比べ83%増の1,093、フランチャイジー(加盟店数)は同307%増(約4倍)の12万4千店、従業員数は同273%増(約3.7倍)の102万3千人、売上高は同209%増(約3.1倍)の94億ドルと各々大幅に増加したとのこと。ちなみに、2010年のフィリピン小売売上高は320億ドル、そのうち、フランチャイズが占める割合は29%となる。

 このように、フィリピンでのフランチャイズ産業が急成長している背景は、フィリピン経済、特に内需の堅調な伸び、海外フィリピン人就労者(OFW)送金拡大との相乗効果による購買力の拡大にくわえ、フランチャイズ関連融資制度が拡充されてきたことなど。

 民間銀行のフランチャイズへの関心が近年高まりを見せており、複数の金融機関でフランチャイジー候補者を対象とした特別な融資制度が設けられている。また、零細な起業家などを対象とした小口融資制度(マイクロ・ファイナンス)整備が優先政策としてい続けられており、この面からも、フランチャイジー候補者への融資機会が増加している。

 1月23日付けフィリピン各紙も、「業界団体であるフィリピン・フランチャイズ連合(PFA)とフィリピーノ・フランチャイザーズ連盟(AFFI)ともに、2012年もフランチャイズ業界は好調に推移、20%程度の成長が期待できると見ている」と報じている。
今後の成長分野として、美容・健康関連、 教育関連、観光関連などが挙げられている。

 なお、急成長の歪みを防止すべく、フィリピン貿易産業省は最近フランチャイズ業界への勧告を発表した。フランチャイジー候補者に対しフランチャイズビジネスを始める前に十分吟味するよう適切な注意を喚起するとともに、フランチャイザーに対し、フランチャイズ協会の会員になり協会の自主規制に従うよう求めた(社団法人日本フランチャイズチェーン協会の海外フランチャイズ情報2011年12月号などより)。

 フィリピンのフランチャイズ業界データ

2000年 2010年 伸び率
フランチャイザー数 598 1,093 83%
フランチャイジー数 30,498 124,000 307%
従業員数 274,482 1,023,000 273%
売上高 30.4億ドル 94億ドル 209%
(出所:日本フランチャイズチェーン協会資料より)