商船三井の在フィリピン船員配乗会社、日本海事協会の認証

2011/11/29

 商船三井の在フィリピン船員配乗会社「マグサイサイ MOL マリーン(MMM)」は、(財)日本海事協会(ClassNK)から、将来発効が見込まれる2006年海上労働条約(MLC)の要件に適合した船員の募集・職業紹介機関として認証を受けた。



 11月23日、マニラのMMM本社にて、フランシスコ・メノール社長に対し、日本海事協会 窪木孝雄・認証サービス事業部長から認定証が授与された。

 この認証により、「マグサイサイ MOL マリーン(MMM)」は、MLCの規則(船員が募集・職業紹介のため効率的で十分に規制された制度を利用できることの確保)に適合した運営がなされていることが公に認められたことになる。なお、この認証は、日本海事協会によるMLC要件に適合した認証の初めての事例となる。

 2006年海上労働条約(MLC)とは、2006年に国際労働機関(ILO)で採択された国際海事条約。船員の雇用条件、労働環境等に係る国際的基準を確立することにより、船員の労働環境向上、海運市場における公正かつ適正競争条件の確保に繋げるものである。
 同条約の第1.4基準では、「船員が、船員の募集および職業紹介のための効率的かつ十分に規制された制度を利用することができることを確保すること」を目的に、船員の募集・職業紹介機関が満たすべき条件が規定されている。また、船舶所有者が、条約非締約国に所在する船員の募集・職業紹介機関を使用する場合、同機関が条約に定める要件を満たすことを確保し、要件の順守を継続的に監視することも求められている。

 商船三井が目指す「世界最高水準の安全運航」を達成するには優秀な乗組員の確保が最重要である。MMMは、今回の認証取得によりMLCに適合した運営がなされていることが認められ、今後もさらにフィリピン人船員配乗業務の品質を向上させていく方針である。

 なお、MMMは、商船三井とフィリピンのパートナーである「マグサイサイ・マリタイム社」との合弁会社として、1997年3月に設立された。

 また、商船三井は「マグサイサイ・マリタイム社」と共同で、1993年にマグサイサイ・インスティチュート・オブ・シッピング (MIS)を設立、商船三井運航船の乗船に備え、徹底した安全教育、各種実務訓練や規律訓練を行っている。2007年からフィリピンの特定商船学校と提携し、補講による学生の能力向上や教員に対する技能的なサポート、海事カリキュラムの強化等を通じて、教育体制の整備・強化にも貢献している(11年11月28日の株式会社商船三井プレスリリースなどより)。