9月インフレ率4.8%(06年=100)への寄与度

2011/10/06

食料等1.94%、住宅光熱費1.27%、交通費0.55%

 フィリピン中央銀行は10月5日、これまでの2000年基準と今年6月から導入された2006年基準の両基準による2011年9月のインフレ寄与度を発表した。


 2011年9月の総合消費者物価(CPI)上昇率(対前年同月比)は2000年基準で4.6%(前月4.3%)、2006年基準で4.8%(前月4.7%)とそれぞれ前月から上昇。2011年1~9月の平均インフレ率は2000年基準で4.3%、2006年基準で4.8%と共に政府のインフレ率目標(3~5%)及び中央銀行(BSP)の9月予想(3.8~4.8%)圏内にとどまった。9月のCPI上昇率を前月と比較した場合、2000年基準では0.1%上昇(前月0%)、2006年基準では0.2%上昇(前月0.1%上昇)。


 2006年基準のCPIに基づくと、9月のインフレ率が上昇した主な要因は、野菜や果物をはじめ食糧が値上がりしたこと。また台風や天候不順による供給減少が小売価格を引き上げた。。

 テタンコ中央銀行(BSP)総裁は、「9月にインフレ率を上昇させた要因は主に供給サイドにある。世界経済の弱気な見通しと安定したインフレ予想により、今後のインフレ動向は政府の目標と一致している」と説明。「引き続き国・世界レベルで価格や生産の展開を注意深く監視し、金融政策の方向性が適切かどうか確認していく」と強調した。

 中央銀行によると、2011年9月の総合インフレ率(2006年=100)4.79%への寄与度は、食料・非アルコール飲料1.94%ポイント、住宅・光熱・燃料1.27%ポイント、交通費0.55%、外食・サービス他0.37%ポイント、教育0.17%ポイントだった。

 一方、2000年基準のインフレ率4.63%への寄与度は、飲食料・煙草費1.95%ポイント、そのうち食料のみでは1.80%ポイント(うちコメが0.17%ポイント)だった。その他の寄与度は光熱費0.72%ポイント(そのうち燃料が0.40%ポイント)、サービス費1.11%ポイント、住居費0.38%ポイント、衣料費0.09%ポイントだった(11年10月5日のフィリピン中央銀行発表より)。

 11年9月インフレ率(2006年=100)と寄与度(前年同月比%)

項目 物価指数
構成比
9月
インフレ率 寄与度
総合 100.00 4.79 4.79
食料・非アルコール飲料 38.98 4.99 1.94
酒類・煙草 2.00 6.08 0.12
衣料・靴類 2.95 3.91 0.12
住宅・光熱・燃料 22.47 5.66 1.27
家庭用品・営繕 3.22 2.53 0.08
健康・医療 2.99 3.39 0.10
交通費 7.81 7.09 0.55
通信費 2.26 -0.43 -0.01
娯楽・文化 1.93 1.71 0.03
教育 3.36 5.07 0.17
外食・サービス他 12.03 3.09 0.37

  (出所:中央銀行資料より作成)

 11年9月インフレ率(2000年=100)と寄与度(前年同月比%、前年同期比%)

項目 物価指数
構成比
9月 2011年1~9月
インフレ率 寄与度 平均インフレ率 寄与度
総合 100.00 4.63 4.63 4.28 4.28
飲食料・煙草 50.03 3.90 1.95 3.99 1.99
 食料 46.58 3.87 1.80 4.01 1.87
  うちコメ 9.36 1.78 0.17 1.61 0.15
衣料費 3.00 2.93 0.09 2.28 0.07
住居費 16.80 2.25 0.38 2.20 0.37
光熱費 6.95 10.39 0.72 9.12 0.63
  うち燃料 2.35 17.19 0.40 13.83 0.33
サービス費 15.89 6.96 1.11 6.03 0.96
その他 7.33 1.44 0.11 1.30 0.10

  (出所:中央銀行資料より作成)