91日物国債利回り、連続で史上最低更新

2011/05/03

2日の入札での落札利回り0.568%に
182日物、364日物は小幅上昇

 5月2日のT-BILL(短期国債)定期入札において、市中金利の指標の一つである91日物の落札利回り(加重平均)は0.568%となり、前回4月18日の0.680%から11.2ベーシス続落した。そして、2回連続で過去最低利回りを更新した。この日の91日物での調達予定額15憶ペソに対し、応札額は64億3100万ペソと高水準。財務局は予定額を上回る21億ペソを受け入れた。


 3月に中央銀行が政策金利を久々に0.25%引き上げたが、高水準な市中流動性や短期かつ安全な投資対象志向の高まりなどにより、2月に上昇した91日物国債入札での落札利回りは、3月から再低下傾向を辿ってきている。また、フィリピンの定期預金金利、貸出金利など各種金利も、歴史的な低水準にある。

 ただし、中央銀行がインフレ期待抑制などのために再利上げに動くとの観測も強まっており、期間の長い債券の利回りは反発傾向にある。
 ちなみに、この日の182日物の落札利回り(加重平均)は0.950%へと5.2ベーシス、364日物落札利回り(加重平均)は2.032%へと6.4ベーシス各々上昇した。

 なお、この日の91日物も含めた3種類での調達予定額90億ペソに対し、応札総額は218億2500万ペソ、落札総額は、予定の90億ペソを上回る96億ペソとなった(11年5月2日のフィリピン財務局資料などより)。

 2010年~11年のフィリピン主要金利の推移(各月の平均値、単位:%)

5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 11年1月 2月 3月 4月 直近
91日国債落札利回り 3.85 3.92 3.97 3.95 3.97 3.74 2.44 0.78 0.70 1.66 1.08 0.79 0.568
1年超定期預金金利 2.05 2.49 2.04 2.22 1.97 2.00 1.60 2.12 1.70 1.51 1.53 N.A. N.A.
銀行平均貸出金利 7.79 7.71 7.71 7.69 7.54 7.80 7.24 7.22 6.98 6.73 N.A. N.A. N.A.

 (出所:中央銀行統計より作成)

01年 02年 03年 04年 05年 06年 07年 08年 09年 10年
91日国債落札利回り 9.86 5.43 6.03 7.34 6.36 5.35 3.41 5.39 4.19 3.73
1年超定期預金金利 10.76 9.18 8.03 8.18 6.03 5.01 3.06 3.96 2.50 2.07
銀行平均貸出金利 12.40 8.90 9.48 10.07 10.15 9.71 8.68 8.76 8.54 7.67

 (出所:中央銀行統計より作成)



 フィリピン主要金利推移(年間平均値、単位:%)