花王、比ミンダナオ島で香料生産へ

フローラル系で世界首位に、ケミカル強化

2017/06/03

花王(本社:東京都中央区)は、ケミカル事業の新たな設備投資として、フローラル系香料(HCA)の生産設備を、フィリピンの100%子会社であるピリピナス花王(PKI)のハサーン工場(所在地:ミンダナオ島ミサミスオリエンタル州)に新設することを決定した。

 HCA(ヘキシルシンナミックアルデヒド)は、ジャスミンに代表される華やかで清潔感のあるフローラル系香料で、洗剤・柔軟剤・クリーナーなどのファブリック&ホームケア製品から石鹸・ボディーソープなどのパーソナルケア製品まで、家庭用品に幅広く使用されている。

 ピリピナス花王に新設するHCAの生産設備は年間生産能力は5,000トンで、伸長著しいアジア市場の需要を賄うことを目的に2018年秋の完成をめざしている。花王のHCAは、花王スペインの既存設備に加え、今回の投資により生産数量世界No.1規模となる。

 近年、経済成長著しいアジアを中心に家庭品の香りに対する消費者の嗜好はますます強まっており、なかでも、華やかで清潔感のあるフローラル系香料は高く支持されている。これに伴い、アジアにおけるHCA市場も大きく伸長している。

 花王は、HCAの外販拡大を目的として、原料である天然アルコールの生産拠点(ピリピナス花王)の敷地内に生産設備を新設し、アジアの需要拡大に応えていく方針である。


 なお、ピリピナス花王は、フィリピンの経済区庁PEZAの許認可を受け、ヤシ油を原料とする高級アルコールを生産し、その大半を輸出するなどフィリピン経済の発展、輸出拡大に貢献するとともに、1977年設立より40年にわたって、地元雇用創出に寄与してきている。2016年末の従業員数は173名、資本金は7,383万5,000ドル(花王が全額出資)である(17年6月2日の花王株式会社ニュースリリースなどより)。