三菱自動車、アセアンの低炭素社会移行を支援

比に続きインドネシア 政府と電動車普及拡大覚書

2017/12/13

   三菱自動車は、12月12日、インドネシア政府と同国における電動車の普及拡大を目指すための覚書を締結したことを発表した。

 覚書は、二酸化炭素(CO2)排出量を削減する戦略の一部として電動車普及を強化するというインドネシア政府の強い意志を支えるもので、ドライバーや製造業者が電動車を導入するための新しい政策とインセンティブプログラムの可能性を模索することが盛り込まれている

 また、三菱自動車はインドネシア政府と同国における電動車の効率的な利用状況を調査する共同実験を行う。インドネシア工業省、国立大学、研究機関などに対して、プラグインハイブリッドEV『アウトランダーPHEV』8台と、EV『i-MiEV(アイ・ミーブ)』2台及び急速充電器を提供することにより、インドネシアの低炭素社会への移行に貢献する。

 三菱自動車は46年前にインドネシア市場に参入し、今年ブカシ県に新しい工場を開設した。工場は3千人以上の雇用を提供する予定で、年間16万台の生産能力を有している。同国は三菱自動車の主要な生産拠点になると共に、アセアン事業の中心を担う市場にもなった。覚書の締結には、同国と同国において長年に渡り事業を行って来た三菱自動車との深い関わりが反映されている。

 なお三菱自動車やそのフィリピン生産・販売拠点であるミツビシ・モーターズ・フィリピン・コーポレーション(MMPC)は、フィリピンにおいて電動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)の普及やそれによる環境保全支援の動きを加速化しつつある。

 三菱自動車は、今年2月28日、フィリピン環境資源省(DENR)との間で、電気自動車『i-MiEV(アイ・ミーブ)』およびプラグインハイブリッドEV『アウトランダーPHEV』の電動化技術を活用した環境負荷低減についての共同研究に関する覚書(MOU)を締結した。最大の配電企業マニラ電力(メラルコ)も参画する。

 6月29日には、DENRに、プラグインハイブリッドEV『アウトランダーPHEV』5台とEV『i-MiEV(アイ・ミーブ)』5台の計10台および、急速充電器4台を提供した。これらの車両は、同省などの政府機関で業務用車両として使用される。これらの車両提供は、上記の『電動化技術を活用した環境負荷低減についての共同研究に関する覚書』に基づくものである。CO2や交通渋滞の低減に向けた取り組みを視野に入れ、他の政府機関や大学などの研究機関、電力会社などに幅広く参画を求めていく。

 12月5日には、三菱自動車は、「日本政府によりフィリピン共和国のエネルギー省(DOE)に対して、プラグインハイブリッドEV『アウトランダーPHEV』4台、及びEV『i-MiEV(アイ・ミーブ)』4台の計8台が寄贈され、4日にDOE本部で記念式典が開催された」と発表した。『アウトランダーPHEV』と『i-MiEV(アイ・ミーブ)』は、一般財団法人日本国際協力システムが、双日株式会社を通じて購入・寄贈した。この取組みは、エネルギー効率が良く環境負荷が低い日本の次世代自動車を、フィリピン国内に普及・促進することを目的としたノン・プロジェクト無償資金協力「次世代自動車パッケージ」に基づいたものである。

 また、今回の無償資金協力により、電動車用の急速充電器3台が同国の大統領府、DOE及び科学技術省に寄贈され、既に設置されている(17年12月12日の三菱自動車工業株式会社ニュースリリースなどより)。