2017年の訪日フィリピン人、22%増の42万4千人

連続最高記録、好景気や査証緩和など背景に

2018/01/17

   日本政府観光局(JNTO)は、訪日外客数などに関する2017年12月および年間の推計値を発表した。

 それによると、 12月の訪日外客数は前年同月比23.0%増の252万1,300人で、これまで12月として過去最高であった2016年(205万0,648人)を47万人超上回った。市場別では、韓国、シンガポール、マレーシア、インドネシアが単月として過去最高を記録、そのほか16市場が12月として過去最高となった。

 12月の上位5市場は、1.韓国(前年同月比37.3%増の67万8,900人) 2.中国(32.0%増の56万4,300人) 3.台湾(14.6%増の31万9,500人) 4.香港(9.2%増の20万7,200人) 5.米国(10.6%増の11万6,200人)。フィリピンは前年同月比17.9%増の4万8,700人。12月として過去最高を記録した。

[2017年年間]
 2017年の訪日外客数は前年比19.3%増の2,869万0,900人となり、JNTOが統計を開始した1964年以降で最多記録となった。航空路線の拡充、訪日クルーズの増加、査証用件の緩和に加え、各市場で進めてきた訪日旅行プロモーションの相乗効果で訪日外客数が増加したと見られる。

 市場別では、主要20市場全てで過去最高を更新。特に中国(735万6千人)と韓国(714万人)は全市場初の700万人台に達した。これに台湾と香港を加えた東アジア4市場は前年比21.9%増の2,129万2千人となり、訪日外客数全体の7割以上を占めた。上位5市場は、1.中国(前年比15.4%増の735万5,800人) 2.韓国(40.3%増の714万0,200人) 3.台湾(9.5%増の456万4,100人) 4.香港(21.3%増の223万1,500人) 5.米国(10.6%増の137万5,000人)。

 フィリピンの訪日旅行者数は前年比21.9%増の42万4,200人で過去最高を記録し、初めて年計で40万人を突破した(これまでの過去最高は2016年の34万7,861人)。4月には単月として過去最高を記録。3月を除く全てのつきで同月最高記録を更新した。航空路線の拡充や比経済の安定、査証緩和、比市場最大の旅行博「Travel Tourism Expo」への出展やネットを利用した訪日旅行促進キャンペーン、札幌を舞台にし大ヒットを記録した比映画「Kita Kita」の効果等が訪日意欲を後押しした。JNTOはマニラに事務所を設置する予定であり、訪日需要の拡大に取り組む方針である。

注)「訪日外客」とは、国籍に基づく法務省集計による外国人正規入国者から日本に永住する外国人を除き、これに、日本を経由して第三国に向かうために日本に一時的に入国した通過客(一時上陸客)を加えた入国外国人旅行者のことである。「観光客」とは、短期滞在の入国者から「商用客」を引いた入国外国人で、 親族友人訪問を含んでいる(18年1月16日の日本政府観光局発表より)。