17年末の商業銀行不良債権比率、1.24%に

前年末1.4%から更に改善、歴史的低水準

2018/02/26

 フィリピン中央銀行(BSP)は、2017年12月の商業銀行(拡大商業銀行=ユニバーサルバンク含む)の不良債権比率(速報値)を発表した。

 商業銀行の12月の総融資残高(7兆8,671億ペソ)に占める総不良債権(元利回収遅延債権)比率(NPL比率)は1.24%で、前月(1.40%)、前年同月(1.40%)から一段と改善した。不良債権(NPL)貸倒引当率は149.53%で、前月および前年同月から更に上昇した。

 一方、総資産に占める不良資産(NPA=元利回収遅延融資+担保権行使による取得不動産等)比率は1.25%で、前月および前年同月から改善。また、不良資産(NPA)貸倒引当率は97.04%と上昇した。

 中央銀行(BSP)は、金融システムにおける信用リスク管理を確実にしていくうえで、商業銀行の融資の質を今後も監視していく方針である(18年2月のフィリピン中央銀行発表より)。 


商業/拡大商業銀行の不良債権・不良資産比率など(月末値、単位:%)

項目 17年12月 17年11月 16年12月
総融資に占める総不良債権(NPL)比率 1.24 1.40 1.40
不良債権(NPL)貸倒引当比率 149.53 137.78 144.67
総融資残高貸倒引当比率 1.85 1.94 2.02
総資産に占める不良資産(NPA)比率 1.25 1.37 1.38
不良資産(NPA)貸倒引当比率 97.04 92.05 93.88
(出所:BSP資料より作成)


商業/拡大商業銀行の不良債権(元利回収遅延債権=NPL)比率などの推移(単位:億ペソ、比率%)

年・月 総融資残高 NPL残高 貸倒引当残高 対総融資NPL比率 NPL貸倒引当比率 総融資残高貸倒引当比率
12月 67,063.1 938.0 1,357.0 1.40 144.67 2.02
17年1月 66,149.5 951.7 1,369.3 1.44 143.88 2.07
2月 66,786.5 984.6 1,376.2 1.47 139.78 2.06
3月 67,511.3 997.1 1,385.5 1.48 138.95 2.05
4月 67,447.9 1,011.9 1,398.0 1.50 138.15 2.07
5月 69,465.7 1,003.2 1,387.5 1.44 138.31 2.00
6月 70,897.3 1,010.1 1,392.8 1.42 137.89 1.96
7月 70,651.1 1,040.3 1,407.7 1.47 135.31 1.99
8月 71,307.0 1,042.1 1,425.8 1.46 136.82 2.00
9月 74,355.2 1,053.6 1,434.9 1.42 136.19 1.93
10月 73,629.0 1,076.9 1,449.5 1.46 134.59 1.97
11月 75,968.6 1,067.1 1,470.2 1.40 137.78 1.94
12月 78,670.8 975.3 1,458.4 1.24 149.53 1.85
(出所:BSP資料より作成)


商業/拡大商業銀行の自己資本比率(単位:%)

2016年 2017年
9月末 12月末 3月末 6月末 9月末
単独 連結 単独 連結 単独 連結 単独 連結 単独 連結
15.40 16.15 14.38 15.12 15.04 15.83 15.31 15.98 15.03 15.66
(出所:BSP資料より作成、16年12月、17年は速報値)