比トヨタ紡織の車両内装部品事業等に優遇措置

投資委員会(BOI)、トヨタCARSプログラム関連4件に

2018/03/05

    フィリピンの輸入車を含む新車総販売台数は、2017年に前年比17.7%増の47万3,943台に達し、6年連続での史上最高を記録とした。しかし、インドネシア、タイなどアジア主要国に比べると低水準である。そして、生産台数は同20.9%増と二桁増加ながら、14万1,252台と非常に低水準、ASEAN主要国で最低水準、ベトナムの19万5,9379台にも大きく引き離され、新車販売の6割以上を輸入に依存している状況である。
 
 このような状況に対処すべく、フィリピン政府は、2016年、フィリピンでの自動車生産・販売を拡大を促し産業振興を支援するための「包括的自動車産業振興戦略」(CARS、ロードマップ)プログラムを始動させた。このCARSのもとで、フィリピン政府は総額270億ペソの期間限定(2022年までの6年間)・成果型の優遇措置を講ずる。優遇措置は3車種(1車種につき6年間で20万台以上生産)を対象に実施される。実施後の6年間で、92億米ドルの売上げ増加、12億米ドルの新規投資、20万人の新規雇用(間接・非間接)創出などが期待されるとのことである。

 このCARSプログラムのもとでの優遇措置(補助金交付など)が、トヨタ・モーター・フィリピン(TMP、対象車種はヴィオス)、三菱モーターズ・フィリピン(MMPC、対象車種はミラージュ{ミラージュ4含む)})に供与されている。

 さらに投資委員会(BOI)は、このほど、CARSプログラムにおけるTMPのヴィオス生産への部品供給事業4件に対する優遇措置を承認した。4件のうち2件は、車体部品製造事業で、、テクノル エイト フィルズ(4億9,590万ペソ)、バレリエ プロダクト マニュファクチャリング社(9,450万ペソ)によるものである。2件は車両内装部品(コンソールやドアトリム)製造事業で、トヨタ紡織フィリピン (1億6,720万ペソ)とマンリー プラスチック(5億2,000万ペソ)によるものである(18年3月2日のフィリピン貿易産業省発表より)。