比イオンファンタジー、第1四半期は45%増収

既存店も9%増収、営業利益7倍の3千6百万円

2018/07/10

   株式会社イオンファンタジーは、フィリピンで、2014年5月に子会社「イオンファンタジー・フィリピン」を設立した。そして、同年11月に、イオンファンタジーキッズーナ フィリピン1号店がマニラ首都圏ケソン市のショッピングモール「ロビンソンズ・ガレリア」内にグランドオープンした。 この出店によりイオンファンタジーのアセアン地域での店舗展開は、マレーシア、タイ、ベトナム、カンボジアに次いで5カ国目となった。

 その後、フィリピンにおけるイオンファンタジーキッズーナは着実に増加している。初出店から約1年後の2015年12月には、セブ初となる13号店をオープンした。そして2016年4月には、北ダバオ州タグム市のロビンソンズプレイス・タグム店に18号店をオープンした。これはミンダナオ島第1号店でもあり、ドゥテルテ現大統領の地盤への出店となった。

 すなわち、マニラ首都圏を中心としたドミナント化を推進するとともに、セブ、ダバオなど首都圏以外での出店も積極化させつつある。その結果、2018年5月末時点で42店となり、前年同月末の29店から13店、率にして45%の増加となった。すなわち、初出店から3年半で42店体制となった

 2018年5月末のイオンファンタジー海外店舗数{( )内の数値は内数でFC等(業務提携、業務委託等の店舗数)}
モーリーファンタジー キッズーナ その他
 海外計 216(5) 151(2) 20 387(7)
   中国 140(4) 47 9 196(4)
   マレーシア 51 26 8 85
   タイ 19 17 1 37
   フィリピン - 42 - 42
   インドネシア 1 13 1 15
   ベトナム 4 4 1 9
   カンボジア 1(1) 2(2) - 3(3)
 (出所::株式会社イオンファンタジー資料より作成)

 このほどイオンファンタジー本社は、2019年2月期(2018年3月~2019年2月)第1四半期連結決算を発表した。それによると、今第1四半期の売上高は前年同期比8.2%増の176億円となり、7期連続増収で過去最高となった。営業利益は同6.2%増の5億4,900万円、経常利益は同4.8%減の4億6,700万円、帰属純利益は同532.8%増の1億0,800万円となった。アセアン事業における売上高は同35.9%増の13億4,300万円、営業損益は5,000万円の黒字となった。

 そのなかで、フィリピン事業の売上高は同44.7%増の3億3,000万円へと大幅増加した。大幅増収は主に新店効果によるものであるが、既存店売上高も同8.9%増と好調であったことが注目される。損益面では、店舗利益が同75%増の6,300万円、営業利益が同7.2倍の3,600万円へと急増した。

 ちなみに、2018年2月期通年のフィリピン事業の売上高は同57.5%増の10億7,900万円、店舗利益が同70.5%増の1億6,200万円、営業利益が同11倍の2,200万円へと急増した。今期は収益拡大に拍車がかかりつつあるといえよう。

  なお、イオンファンタジーは、2018年度から2020年度までの中期3カ年計画において、アジアシフトの加速を掲げており、アジア店舗数を2017年度の389店の1.9倍の730店とする方針である。特にフィリピンにおいては2017年度比2.1倍の81店と高い伸びを目指している。フィリピンは、年間人口増加率が約2%、9歳以下の人口が2割(2千万人)以上と高く、子供向けアミューズメント施設需要の急拡大が期待できる(株式会社イオンファンタジー2019年2月期第1四半期決算補足資料などより)。