比トヨタ30周年、収益力断トツ、18年連続の3冠王

2018/08/02

 トヨタ自動車のフィリピンでの製造・販売拠点であるトヨタモーター フィリピン(TMP、所在地:ラグナ州サンタロサ市トヨタ特別経済区)が設立30周年を迎える。
 
 TMP198883日に設立された。現在の出資比率はトヨタ自動車34%、三井物産15%、メトロバンク・グループ(GTCAP51%となっている。「ヴィオス」や「イノーバ」を現地生産しているほか、各種乗用車、商用車の輸入販売、国内向け部品販売、部品輸出などを手掛けている。現在の取り扱い車種は21、販売拠点は、販社「レクサス・マニラ」を含む63に達している。「レクサス・マニラ」は20091月に開業し今年9周年を迎えた。三井物産との合弁企業であり、TMPCの出資比率は75%、三井物産の出資比率が25%となっている。2017年末の従業員数は1894名となっている。
 
 TMPは、フィリピンの自動車業界において断トツの存在となっている。先頃フィリピン自動車工業会(CAMPI)によって発表された2017年の工業会加盟企業ベースでのTMPシェアは43.2%と断トツ。工業会加盟企業、AVID加盟企業、非加盟独立系企業の合計から重複加盟分(フォードなど)を調整したフィリピン新車総販売台数ベースでのシェアも38.7%で、2位以下を大きく引き離している。そして、18年連続の3冠王(総合販売台数、乗用車販売、商用車販売いずれも首位)を達成した。
 
 TMP2017年の売上高は前年比18.9%増の1,853億ペソに達した。販売台数2桁増加効果や値上げなどで、ペソ安などにともなうコスト増や販管増加等をこなし、営業利益は同7.2%増の168億ペソ、帰属純利益は同10.7%増の132億ペソへと増加、過去最高益更新を続けた。そして、収益ともに現地トップクラスの企業に匹敵する水準となっている。
 
 下表の様に、帰属純利益は2013年が前年比50%増の42億ペソ、14年が同71%増の72億ペソと連続で急増した。そして、15年には100億ペソの大台を突破、さらに、16年、17年と続伸し、3年連続で100億ペソの大台を突破している。そして、5年前の2012年と比較すると、売上高は2.6倍、帰属純利益は4.7倍、株主資本は2.4倍へと拡大している。
 
 トヨタモーター・フィリピン(TMP)の業績等の推移(単位:百万ペソ、17年分は速報値)

2012

2013

2014

2015

2016

2017

伸び率

売上高

72,560.0

80,676.6

104,886.9

114,289.4

155,832.5

185,337.1

18.9%

粗利益

7,993.2

10,256.6

14,628.9

18,298.5

21,072.3

23,058.8

9.4%

営業利益

3,718.2

5,719.1

9,859.3

13,909.9

15,669.0

16,798.2

7.2%

帰属純利益

2,808.8

4,219.0

7,208.8

10,194.6

11,929.0

13,186.1

10.7%

総資産

21,035.9

23,750.0

26,681.4

32,278.3

36,003.4

42,158.3

17.1%

株主資本

8,053.2

9,285.9

11,923.3

15,228.4

17,492.3

19,147.6

9.5%

 (出所:GTキャピタル事業報告書などより作成)