オカダマニラ(UEカジノ事業)、上半期売上高216億円

依然30億円の営業赤字、来年に運営企業上場意向

2018/08/12

  ユニバーサル・エンターテインメント(UE)は8月9日、2018年度上半期(2018年1月~6月)の連結決算を発表した。

  それによると、フィリピンのマニラ・ベイ地区で展開している統合型リゾート(IR)施設「Okada Manila」(オカダ・マニラ)によるカジノリゾート事業の今上半期の売上高は216億4,000万円へ拡大したが、営業費用増加や減価償却費増加などで営業損益は30億2,000万円の損失(赤字)となった。今第2四半期(4月~6月)の売上高は前期(1月~3月)比43%増の127億4,100万円へと大幅増加したが、営業損失額は同14%増の16億1,100万円となった。
 
 オカダ・マニラでは、カジノを中心としたIR施設全体の売上高が順調に増加している。上記のように、減価償却費の増加などで、営業損益は依然赤字であるが、税金・金利・償却前損益(EBITDA)は既に黒字転換している。

 オカダ・マニラの売上拡大を牽引したのは、マス及びVIP向けカジノ部門であり、当初予想を上回る実績となった。マス向けカジノに関しては施設来場者数が順調に伸び続けたこと、VIP向けカジノに関しては、大手ジャンケットが正式にオープンしたことなどが寄与した。また、今第2四半期のホテル客室稼働率は98%と非常に高い水準となった。

 施設の稼働に関しては、世界最大級のカラー噴水「ザ・ファウンテン」や、昨年12月にオープンした東南アジア最大のナイトクラブやビーチクラブを有する全天候ドーム型施設「コープ・マニラ」に続き、現地富裕層専用カジノエリヤ「マハリカクラブ」や、高級リゾートスパ「ザ リトリート」、マニラ湾を一望できる屋外スイミングプールが開業し、総合型リゾート施設としての完成度を高めつつある。

 第3四半期においては、香港にて開業していたミシュラン一つ星を獲得した中華レストラン「玉蕾(Yu Lei)」のオープンに加え、引き続きホテル客室やショッピングエリアの拡張を進める方針である。マス向けカジノに関しては施設やサービスの拡充、カジノ以外の魅力増大、VIP向けカジノに関しては大手ジャンケット稼働の本格化などにより収益拡大を図る。また、海外マーケティングの強化、主要各国での営業支店設立などで海外VIPをもてなす体制を整備していく方針である。
 ホテルに関しては、A棟の全室開業の目途がつき、海外ツアー客の受け入れや、企業イベント・会議・挙式関連の宴会場プランを拡充することで、非カジノ部門全体の収益増加を見込んでいる。

 ただし、カジノリゾート事業に関しては、世界の経済環境の変動、為替市場における通貨変動など経済的要因、フィリピン政府の税制改正やフィリピン賭博公社(PAGCOR)の規制改正、税制改正といった事業環境の変動要因などにより、グループの業績が影響を受ける可能性もあるとしている。

 なおUEグループは、カジノリゾート事業の中核会社であるフィリピンの「Tiger Resort, Leisure and Entertainment, Inc.(タイガーリゾート・レジャー&エンターテインメント)」の成長加速や知名度向上などのために、2019年中の「タイガーリゾート・レジャー&エンターテインメント」の株式公開(フィリピン証券取引所への上場)の準備を進めている(2018年8月9日発表のユニバーサル・エンターテインメント第46期第2四半期報告書などより)。